等伯 下 (文春文庫) の感想
参照データ
タイトル | 等伯 下 (文春文庫) |
発売日 | 2015-09-02 |
製作者 | 安部 龍太郎 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784167904432 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
七尾から単身上洛し、当時画壇の主流だった狩野派に挑み、高い評価を獲得していく長谷川等伯。この小説では、そんな歴史上の偉人のようでもある等伯の人間らしい弱さ、葛藤、内面が描かれ、思わず感情移入するような内容になっています。これまで、偉大な絵師として等伯を仰ぎ見てきた人には、人間臭い等伯が新鮮に映るのではないでしょうか。等伯を扇屋の主人にするところなどは創作かと思いますが、生家との関係、狩野派との対立、久蔵の死、松林屏風図の誕生、江戸に向かう途中での最期など、断片的に伝わるエピソードが上手に一つのストーリーとしてまとまっており、等伯の資料としても、娯楽の読み物としても、楽しめる内容になっていると思います。