海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史 (ブルーバックス) の感想

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タイトル海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者佐野 貴司
販売元講談社
JANコード9784065020210
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 地球科学

購入者の感想

本書は「沈んだ大陸はあるか」という問いに対する,地球科学的に追求した現時点での回答である.ただし「大陸」とは,「島」とされるグリーンランドよりも格段に大きくなくてはならないとする.第7の大陸が存在した可能性として唯一考えられるのは,ニュージーランドを囲むいくつかの海台より成るとされる「ジーランディア大陸」ということだそうである.
「大陸が沈んで文明が滅んだ」というのはロマンあふれる話で,「アトランティス大陸」,「ムー大陸」,「レムリア大陸」などの伝説や仮説に心を躍らせた人も多いであろう.とくにアトランティス大陸は古代ギリシャの哲学者プラトンがその著書「ティマイオス」に,ヘラクレスの柱(ジプラルタル海峡)の西すなわち大西洋(アトランティック・オーシャン)にあったと記述している伝説で,最も興味をそそられるものである.ムー大陸は20世紀の初頭,チャーチワードという人が,南太平洋の島々に散らばる古代文明を統一的に説明するためにその存在を仮定したもので,地球科学的な根拠はまったくない.著者はブルーバックスの編集部からムー大陸について執筆するように依頼され,そんなオカルトものを書いたら怪しげな科学者とみなされてしまうのではないかと思ったということである.本書は一貫して,何千万年での時間変化を扱う地球科学的な立場から「沈んだ大陸さがし」をするので,過去せいぜい1万年くらいの古代文明の大陸の話とは完全に一線を画している.ムー大陸というより「ムリ大陸」であろう.
本書のはじめの2章は巨大海台,テレーン,プレートなどについて基本的な解説がなされる.次の2章では,いろいろな岩石の生成および大陸地殻の成因についてのかなり詳しい説明がなされる.第5章ではジーランディア大陸の可能性が議論される.最終章は大陸さがしの話ではなく,3億年前以後に起こった生物の大絶滅の原因に関する議論を紹介している.

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