アイスクリームが溶けてしまう前に (家族のハロウィーンのための連作) (福音館の単行本) の感想

絵本にしては字が多く冊子が小さいし、児童書と呼ぶには絵が多い、そんな本です。文章も挿絵も個性的でかわいくていいですよ。
子供に本を与えるなら、そこには必ず大人がいます。目を通す大人がいます。子供だけではなく、先に、或いは一緒に読むであろう大人にもほろっと響く、そんなメッセージを感じます。親子で感じ方は違うでしょう。
本場アメリカのハロウィーンの歴史や楽しみ方という内容ですが、それだけではないんです。かけがえのない、今という時間の尊さや儚さを感じずにはいられませんでした。
子供なら小学生向けだと思います。そして大人であれば子育て世代にオススメです。親子で一緒に楽しめるならそれがいちばんで、作品の趣旨にも合っていると思います。それでも、子育てはこれからという人、そして、自分自身もかつては少年や少女だった人、読んでみてください。あなたにとってのアイスクリームって何でしょう。どんなアイスクリームでしょうか。