サーブ35/37 ドラケン/ビゲン (世界の名機シリーズSE スペシャル エディション) の感想

幼少の頃からドラケン好きで、ドラケン関連の書籍は和洋問わず入手してきました。
日本語で読める資料としては他に新旧の「世界の傑作機」や航空雑誌のバックナンバーがありますが、
どれも一長一短がある、といった感じでしょうか。

その中でこの新刊は、フライアブルな機体のダイナミックな大判写真が実にすばらしい。
ドラケンについては、海外の資料や写真集では言及されていながら、日本語資料ではこれまで触れられなかった
輸出版機体に後付されたチャフ・フレア・ディスペンサーについて、簡単ながら解説してあるのも良かった。
同じく「世傑」などではスルーされてきた「なぜAIM-26/4をライセンス生産して導入したのか？」という点について、
独自の考察がなされているのも新しいと感じました。

ビゲンについても、日本語で読めるまとまった資料となると、古い航空雑誌の記事（当然、情報も古い）
くらいしか思いつかないので、これだけの分量が日本語で読めるのは貴重でしょう。

惜しむらくはドラケン、ビゲンともに現役時代の写真やディテール写真が少ないことですが、
これはネットで検索すれば画像が山ほど出てくる今の時代、それほどマイナス点にはならないのかな、と。
ですので「よく出してくれた（特にビゲン）」という思いを込めて星五つです。