金正恩の正体: 北朝鮮 権力をめぐる死闘 (平凡社新書) の感想

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参照データ

タイトル金正恩の正体: 北朝鮮 権力をめぐる死闘 (平凡社新書)
発売日販売日未定
製作者近藤 大介
販売元平凡社
JANコード9784582857474
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

著者の近藤大介氏が週刊誌に書いたコラムをベースに、キム・ジョンウン政権について語ったもの。
雑誌のコラムがベースという時点で、内容は押して知るべし。

例えば、正恩が張成沢を処刑した下りだが、本書によると、
「飢えたシェパード犬がいる檻に入れられる拷問を受け、近距離から機関銃で掃射され、火炎放射器で身体を焼かれた」そうだ。

日本人にとって入国すら難しい北朝鮮で実行された処刑の一部始終をどうしてここまで詳しく書けるのだろうか?
どこから情報を入手したのだろうか、情報提供主は誰なのだろうか?

調べてみたところ、どうも該当する文章は、以前、週刊誌に掲載された自分のコラム記事を利用して書かれたようで、
同記事を読む限り、韓国の国家情報院(国情院)から聞いた話をもとに書かれているらしい。

国情院は、元々は戦後韓国の独裁政権時に設立されたKCIAという機関が改称したもので、
反体制派の人間を北朝鮮のスパイということにして逮捕し、拷問、時には殺害すらする秘密警察だった。

この前の大統領選でも、国情院が2270個のツイッターアカウントを利用し、2200万件ものコメントを拡散させていたが、
そのほとんどが朴槿恵候補(当時)を支持し対立候補を誹謗中傷するものだったのである。

2013年にも脱北者の男性を北朝鮮のスパイとして逮捕したが、証拠となった文書3件が全て偽造されたものが判明している。

同年、統合進歩党の李石基議員らを北朝鮮の手先と断定、「内乱陰謀」などの容疑で起訴したが、
重要証拠として国情院が提出した録音記録は272カ所も改ざんされたものであることが裁判中に確認された。

例えば、「具体的に準備しよう」という発言は「戦争を準備しよう」と、「全面戦はだめだ」は「全面戦だ、全面戦」とすり替えられている。

このような真似をしている機関が提供した情報をもとに本書は書かれている。信憑性はかなり薄い。
他にも近藤氏は金日成偽者説など、学者の間では否定されている説を平気で採用していたりする。

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