実録・北の三叉路 の感想

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タイトル実録・北の三叉路
発売日2016-02-12
製作者安宿緑
販売元双葉社
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品

購入者の感想

破天荒な朝鮮籍の家族との生活や朝鮮学校の風習、総連職員としての勤務、
訪朝時の親族を含む北朝鮮人との交流等、あまり外部に伝わらないような
かなり突っ込んだ内容が、ユーモア溢れる腐女子な著者によって未だかつて
ない明るいタッチで描かれている。北朝鮮だけにとどまらず竹島にも突撃ルポ
したり、まさに破天荒すぎる内容。

北朝鮮に関する話は概ね暗く語られる事が多いが、北朝鮮の親族や学生、
指導員や軍人とのやり取りは、意外にも冗談を交えたりどこにでもありふれた
ごく普通のやりとりで、皆が死んだような目をしているとか常に監視がどうとか
そういった暗い印象は受けず、制限の多い社会ながらもその中で楽しみを
見つけて精一杯生きている朝鮮人民の描写が秀逸の一言。

北朝鮮にもこういった普通の生活があるというような話もあれば、餓死寸前で
国民全員が奴隷のような扱いを受け、まさにこの世の監獄と言わんばかりの
話もあり、この本を読むと一体何が真実なのかますます分からなくなる。
竹島に上陸しての感想も述べられているが、著者の立場上の問題からか
結論として曖昧な記述になっているので、今後どう解決していくべきかの
著者独自の意見が欲しかったかも。

著者が伝えたい事は、北朝鮮も韓国も反日の面ばかり強調される報道が多い中、
実際はそれほどみんなが毎日そんな事を考えている訳ではなく、政治体制は
違えどそこには人間が営む当たり前の日常生活があるという事を訴えている
ように思われ、最初から拒絶ではなくまず相手を知ろうとする気持ちを養う
事が国家間の関係改善の糸口となりうる事を思い直した。

ネットスラングや流行語がふんだんに使われており若い世代には読みやすいと
思われるので、朝鮮半島に偏見のある人ほど読んでみても良いかもしれない。

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