原発事故 国家はどう責任を負ったか―ウクライナとチェルノブイリ法 の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル原発事故 国家はどう責任を負ったか―ウクライナとチェルノブイリ法
発売日販売日未定
製作者馬場 朝子
販売元東洋書店新社
JANコード9784773420005
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

ウクライナを克明に取材したテレビディレクターと、福島事故の子ども・被災者生活支援法の策定にもかかわった法制度の研究者との共著。
国家予算が不足して、実際の支援金額は不足しているけれども、法律の保護下にあるということが公認されることによって、人びとが公的助成を信頼し、公務員もその法律を順守して支援業務に励んでいるという姿に、心安らぐ思いがする。
福島では、不完全な法律(子ども・被災者生活支援法)すら、政治家や官僚・地方公務員が無視し、自主避難者を無いことにしようと精神的・物質的に追い詰めている日本の現状と比べて、彼我の救済制度に対する信頼度の相違に愕然とする。たとえば、毎年の健康診断の受診率は近年でも、リクビダートル97%超、成人被災者95%超、被災児童99%超に対して、福島では県民健康管理検査の受診率はガタ落ちになっている。
また、チェルノブイリ法では1mSv/yの地域は自主的避難の権利が認められ、避難者には住宅をはじめとするさまざまな支援が行われているが、日本では20mSv/yまで自主避難の権利がはく奪されて支援や賠償が打ち切られようとしている。
この本は、どのような人たちがどういう考え方で「チェルノブイリ法」を作り、どういう人たちがその運用に携わっているかを詳しく取材し解説しており、それを鏡として、現在の日本の病巣を浮き彫りにしている。
ソ連崩壊後の政治的・経済的困難を抱え、最近も戦争の危機に直面した社会で、憲法に被災者の権利と救済を書きこんで真摯に事故被害と取り組んでいる社会の姿に襟を正す思いがした。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

原発事故 国家はどう責任を負ったか―ウクライナとチェルノブイリ法

アマゾンで購入する
東洋書店新社から発売された馬場 朝子の原発事故 国家はどう責任を負ったか―ウクライナとチェルノブイリ法(JAN:9784773420005)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.