なぜ、「異論」のでない組織は間違うのか の感想
参照データ
タイトル | なぜ、「異論」のでない組織は間違うのか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 宇田 左近 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569815336 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理 |
購入者の感想
組織で働く人間に、次の2つの不都合な真実を突き付けてくる“口に苦い良薬”です。(真実1)組織は外部への貢献ではなく自己複製の原理で動いている (真実2)組織内の個人は自覚症状なしに、組織内常識に埋没している。
著者は、この不都合な真実を、自らの、コンサルタント体験、郵政民営化推進体験、福島第一原発の国会事故調査委員会・調査統括としての体験を踏まえて、臨場感をもって突きつけてきます。特に、104ページから105ページにかけての17項目の危険な兆候リストは必見です。私が特に印象的だった2項目を引用します。
「10.社内の会議においては、上位者の意見に反論がでない。皆メモを取るため、発言者以外は下を向いている」
「14.子会社、関連会社の経営者は主としてOBであり、そのリストラはタブーになっている」
上記の不都合な真実への対抗策として、著者は、「異論を唱える義務」を提唱しています。著者が「異論を唱える権利」ではなく「義務」とした点は、マネジメントのパラダイムシフトであると、私は考えます。つまり、組織の自己複製化傾向や個人の組織内常識への埋没傾向は非常に強いので、それに対抗するためには、従来提唱されてきたような“多様性を受容するマネジメント”では不十分で、“多様性がないことは許されない組織”にするしかないと訴えているのだと読み取ることができるのです。
企業であれ官公庁である、組織で働く人に必読の一冊です。
著者は、この不都合な真実を、自らの、コンサルタント体験、郵政民営化推進体験、福島第一原発の国会事故調査委員会・調査統括としての体験を踏まえて、臨場感をもって突きつけてきます。特に、104ページから105ページにかけての17項目の危険な兆候リストは必見です。私が特に印象的だった2項目を引用します。
「10.社内の会議においては、上位者の意見に反論がでない。皆メモを取るため、発言者以外は下を向いている」
「14.子会社、関連会社の経営者は主としてOBであり、そのリストラはタブーになっている」
上記の不都合な真実への対抗策として、著者は、「異論を唱える義務」を提唱しています。著者が「異論を唱える権利」ではなく「義務」とした点は、マネジメントのパラダイムシフトであると、私は考えます。つまり、組織の自己複製化傾向や個人の組織内常識への埋没傾向は非常に強いので、それに対抗するためには、従来提唱されてきたような“多様性を受容するマネジメント”では不十分で、“多様性がないことは許されない組織”にするしかないと訴えているのだと読み取ることができるのです。
企業であれ官公庁である、組織で働く人に必読の一冊です。