沖縄と国家 (角川新書) の感想

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タイトル沖縄と国家 (角川新書)
発売日2017-08-10
製作者辺見 庸
販売元KADOKAWA
JANコード9784040821610
カテゴリ文学・評論 » 文学賞受賞作家 » 芥川賞 » 101-125回

購入者の感想

辺見・目取真両氏の日本政府及び本土の日本人への深い絶望が痛いほど伝わってくる。沖縄が、沖縄戦から現在に至るまで未だに日本本土の前縁、捨て石にされ続けていると両氏の見解は一致する。目取真氏の辺野古での抗議行動を阻止しようとする本土から派遣された機動隊の暴力は、本土ではまったく報道されない。私は、大変不謹慎ではあるが、遠い異国での出来事のように感じたが、まさに両氏が指摘する本土の人間の米軍基地への肉感の無さを恥じる次第だ。本土の人間は、自分の住む地域に米軍基地はあってほしくないが、日米安保条約なしに日本単独でロシアや中国、北朝鮮に対抗できないと考えており、沖縄に基地を押し付けているという構図だ。この構図が、戦後72年も経過するのに未だに固定化されており、これに異を唱える沖縄県民の心情、抗議行動は至極当然である。恐らく、沖縄で日本からの独立を県民投票にかけた場合、賛成が圧倒的多数にのぼるだろう。沖縄の犠牲・負担を減らすには、日米安保を縮小し、日本の軍事的自立を目指すしかないのではないかと考えてしまうが、沖縄の地理的な重要性を考えた場合、米軍が自衛隊に置き換わるだけかもしれない。現在の去勢された日本に安保を解消するなどという議論がおきるはずもなく、絶望は更に深まる。だが、声を上げ続けなければ、日本政府を付け上がらせ、飼い馴らされ、やがて無視され、捨て石にされるだけだ。

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