グローバリズム その先の悲劇に備えよ (集英社新書) の感想
参照データ
タイトル | グローバリズム その先の悲劇に備えよ (集英社新書) |
発売日 | 2017-06-16 |
製作者 | 中野 剛志 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087208863 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
本書の前作とも言うべき「グローバル恐慌の真相」から5年半。いま日本の言論人で最も信頼できる「最強コンビ」による待望の対談である。
ところがいきなり。2人は、「日本は米中の二重従属体制に置かれる」などと言う。これはキツイ。でも、「そんなバカな」「やたらと脅かすもんじゃないよ」と仰るあなた、本書を読んでも妄言と切り捨てられますか。
― P166~168より引用(一部省略しています)―
(柴山)突然、アメリカが「もう東アジアでの軍事力を維持する力はないから、撤退します」と通告してきたら、どうなるのかということですよね。
(中野)その際、見落とせないのは、どの国が主体となろうが、東アジアで秩序が維持されることは、アメリカの経済にとっても得だ、ということです。アメリカが東アジアから撤退する際には、かわりに日本か中国のどちらかに東アジアの安定を維持しろということになるわけです。
(柴山)アメリカにしてみれば、中国と対立はしたくない。だから、対立を避けるために中国に東アジアを任せてしまうというシナリオでしょう。一方、日本に任せるというオプションの可能性は低い。なぜなら、日本は「俺たちにアジアを任せないなら戦争するぞ」などと、アメリカに歯向かってくる可能性はないわけですから。
(中野)そうなれば、日本は、アメリカと中国の両方に従属していくというシナリオですよ。中国が東アジアで事を起こしたとしても、アメリカは助けてくれない。いくら日本が懇願しても、「中国に従って、静かにしてなさい」と言われるはずです。現に、第二次安倍政権が発足してから間もない頃、安倍首相や閣僚たちは悲願であった靖国参拝や歴史観の見直しを試みましたが、その際、アメリカはそれを批判し、やめるように圧力をかけました。それでも安倍首相が靖国参拝を敢行すると、アメリカは失望の念すら表明したのです。親米保守派の悪夢は、すでに現実のものとなりつつあるのです。
ちなみに、前作「グローバル恐慌の真相」の中で、柴山氏はこう言っていました。5年半前のことです。
ところがいきなり。2人は、「日本は米中の二重従属体制に置かれる」などと言う。これはキツイ。でも、「そんなバカな」「やたらと脅かすもんじゃないよ」と仰るあなた、本書を読んでも妄言と切り捨てられますか。
― P166~168より引用(一部省略しています)―
(柴山)突然、アメリカが「もう東アジアでの軍事力を維持する力はないから、撤退します」と通告してきたら、どうなるのかということですよね。
(中野)その際、見落とせないのは、どの国が主体となろうが、東アジアで秩序が維持されることは、アメリカの経済にとっても得だ、ということです。アメリカが東アジアから撤退する際には、かわりに日本か中国のどちらかに東アジアの安定を維持しろということになるわけです。
(柴山)アメリカにしてみれば、中国と対立はしたくない。だから、対立を避けるために中国に東アジアを任せてしまうというシナリオでしょう。一方、日本に任せるというオプションの可能性は低い。なぜなら、日本は「俺たちにアジアを任せないなら戦争するぞ」などと、アメリカに歯向かってくる可能性はないわけですから。
(中野)そうなれば、日本は、アメリカと中国の両方に従属していくというシナリオですよ。中国が東アジアで事を起こしたとしても、アメリカは助けてくれない。いくら日本が懇願しても、「中国に従って、静かにしてなさい」と言われるはずです。現に、第二次安倍政権が発足してから間もない頃、安倍首相や閣僚たちは悲願であった靖国参拝や歴史観の見直しを試みましたが、その際、アメリカはそれを批判し、やめるように圧力をかけました。それでも安倍首相が靖国参拝を敢行すると、アメリカは失望の念すら表明したのです。親米保守派の悪夢は、すでに現実のものとなりつつあるのです。
ちなみに、前作「グローバル恐慌の真相」の中で、柴山氏はこう言っていました。5年半前のことです。