僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書) の感想

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タイトル僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)
発売日販売日未定
製作者山中 伸弥
販売元文藝春秋
JANコード9784166611188
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想

購入者の感想

京都産業大学の創立五十年を記念して行われた「マイ・チャレンジ」という企画の記録。
大学からの依頼で、歌人でもあり学者でもある永田和弘氏が四名の著名人(山中伸弥氏、羽生善治氏、是枝裕和氏、山極壽一氏)の講演と対談を企画した。その狙いは、あんな偉い人でも自分と同じじゃないかということを感じとってほしいということだった。というのも、若い人たち、とりわけ学生たちは、あこがれの対象を持っていないからだという。

私は、これらの高名な四名の方々と、あまり変らないといっていい歳だが、まだ何者にもなっていないし、今後も何者にもならないだろう。これだけ年を重ねてくると自分のことは分かってくる。この四名の方々と決定的に違うなと思うのは、みんな、分野は違うが、「おもしろい!」と心底感じ、それを追求し続けてきたことだと思う。私は飽きっぽい。
結局、いろいろな分野で活躍している方々の原点は、「おもしろい!」ということだし、そういう「おもしろい!」はずの未知の経験を聞くと、こちらも興味を持つことができる。例え、本書が若い人たちをターゲットにしていたとしても。

結局、有名かどうかよりも、仮に「おもしろい!」度ランキングというものがあるとすれば、今回の四名の方々は、その上位陣というイメージで捉えたほうがよいかもしれない。例え、分野は異なっていたとしても、「おもしろい!」度の高い人生のポイントを垣間見させてくれる。それは、多分、汎用度の高いものだと思う。映画監督の是枝裕和氏が、映画の中の出来事が日常の風景をちょっとだけ変えるというのをいいな、と表現していたが、表現者として見えていないものを見えるようにする、ところにおもしろさを感じているのだと思う。仕事にしても、遊びにしても、人生にしても、レベルアップするというのは、見えないことが見えるようになることだと思うし、何者にもならなくても、「おもしろい!」と思うことを追求し続けることが大事なんだと改めて思った。
講演モノは、いろいろな方の人生のエッセンスを短時間で知れるという意味で、おじさんでも読む価値はある、というのが私の結論である。

iPS細胞の山中さんや将棋の羽生さんなど、一流と呼ばれている人と作者との講演会を本に起こしたもの。

当たり前だが、有名人でも地道に色々やっていたという事が伝わってくる本。
短く、読みやすいので、本書で取り上げられている4名に興味があれば、読んでも良いかも知れない。

京都産業大学での対談シリーズをまとめたというこの本、新書としては亜流かもしれませんが読み始めると面白くて止まりませんでした。若い学生に向けた講演ということもあり、平易な言葉で語られる偉人たちの金言はメモを取り始めるとキリがないほど。
特に印象的だったのは、棋士の羽生善治さんの章です。時代を代表するトップ棋士でありながら、おごらず、気取らずに淡々と若者へエールを送る羽生さんはすばらしいですね。
この本を学生のころに読んでいたら、人生が変わっていたかもしれない……そんな後悔をしてしまうくらい素晴らしい内容でした。

 大変面白く読まさせて頂きました.
 時間が経って自身の中で物事が整理されて冷静に話せる話題を取り上げていて,筆者自身の人生訓のような高尚な雰囲気もただよう本です.それは私が筆者と同様な年齢に達しているからなのでしょう.

 反面本書が想定している読者である多くの若い人に勧められるのか,と聞かれれば迷います.
 「若い頃は苦労して・・」
 と笑顔で言われても,今現実に非正規社員,貧困と闘い,悩み,苦労し,中には自殺までしてしまう若い人の心には何一つ伝わらないのでしょう.文面から察するに筆者らは,そうした社会の底にいる若い人たちの現実を全くご存じないのではと思います.
 お薦めは,経済的には何も心配も無いのですが,将来に対して漠然とした不安や悩みを抱えている若い人たちに読んで欲しいと思いました.
 
 

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