映画評論・入門! (映画秘宝セレクション) の感想

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タイトル映画評論・入門! (映画秘宝セレクション)
発売日販売日未定
製作者モルモット吉田
販売元洋泉社
JANコード9784800312488
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

連載コラムをまとめた物だが、映画好きの人なら面白く読めるはず。北野武の映画を巡る当時の批評や本人の反論など、その後の事情を知る今だからこそ読んでみて興味深い。当時は同じ芸能人監督として2作撮った北野とサザン桑田の”稲村ジェーン”が比較されていて、そのアンサーとして第3作"あの夏、いちばん静かな海。"が誕生したのだ。そのあと、第二作を桑田は撮っていない。また、古くは市川崑による東京オリンピックの記録映画が資金を出した政府側から文句がついて監督が窮地に陥った時、言論の力で助け舟を出したのが高峰秀子。例のべらんめえ調のエッセイで物議をかもした後で政府の担当大臣と直談判に持ち込んでしまう。

後半は、現在評価が確立しているいわゆる名作が公開当時どのような評価を受けたかを当時の様々な批評から探る。作品の価値を理解できなかった者、いち早く革新性を見いだした者、いろいろだがやはり時の試練により評価とは確立するのだろう。反面、公開当時は高評価だったが、現在はあまり顧みられない作品もあるはずで、何かの作品を作り出すという事の悲哀をも感じた。ただし、名作になってしまうと文句が言い難い状況にもなる物で、公開当時は作品の弱点なども指摘されていたりする良い点もある。取り上げられているのは、七人の侍、犬神家の一族、2001年宇宙の旅、ゴジラ、仁義なき戦いなど7作品である。

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