逆転裁判 蘇る逆転 の感想

このゲームは「逆転裁判」の完全な最新作ではないという点に注意。GBAで発売された第一作「逆転裁判」に、新エピソードを1話追加した移植版である。
移植の部分は操作にタッチペンが使用できるようになっているだけで、一切の変更はない。よってGBA版をやったことがある場合は注目すべきは新エピソードのみということになってしまう。
GBAのソフトを起動できるDSにGBAソフトを移植するというのはまったく意味の無いことではある。新エピソードが入っているだけに、その1話のためだけに買ってしまうファンの事を考えていないと言わざるをえない。完全な新作にしてもらいたかった、というのが素直な印象ではある。
しかしこの新エピソード、2話分くらいのボリュームがあり、新キャラクターやシナリオの魅力も十分。一部映像にポリゴンが効果的に使われていたり、証拠品をより詳しく調べることができたり、DSの機能をうまく使った「カガク捜査」が導入されたりと、「新作」としての要素は十分だ。ユーモアとシリアスが絶妙に絡み合うテンポのよい会話ももちろん健在。
逆転裁判初体験、という人にはもちろん大手を振ってオススメする。情報を集め、推理し、証人の発言との矛盾点を暴きだして逆転、逆転また逆転の末事件を解決に導く。「自分で推理する」感覚をゲームとしてのテンポや面白さを損なわず提供してくれる、推理モノ、アドベンチャーゲームが好きな人ならばハマること受けあいの名作だ。
GBA版を遊び倒した人でも、この新エピソードは魅力。納得いかない感はあるが、買う価値はある一本だ。