男尊女子 の感想
参照データ
タイトル | 男尊女子 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 酒井 順子 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087816280 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » さ行の著者 |
購入者の感想
「負け犬の遠吠え」以来のいつもの酒井節、と言ってはそれまでですが(目新しいことはあまり無い、という意味で)、やはり、現代日本社会の色々な社会現象や細かい「?」についての観察力と分析力は卓越しています。アメリカ社会(というか、成熟した社会?)が、人種や階級によって女性の地位について異なる見解を持つ人々がいても、最後には良識派は「(たとえ大変でも、問題があっても)ゴールとして男女平等を目ざそう」という考えに集まるのに対し、日本では「でも」となる理由がわかるような気がしました。また、アメリカでも、夫より収入が多い女性はいろいろと大変、ということがままありますが、最終的には「でもそれでいいのよ(それを気にするような夫が悪い)」という声を、周囲からなり自分の中からなり得られるような気がします。でも、日本では女性側の罪悪感が延々と続いてしまうのではないか、と感じました。「どうして日本では女性は(そして今では若い男性も)こんなに生きていくのが大変なのかな?」と思わされた一冊でした。