愛と憎しみの豚 (集英社文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル愛と憎しみの豚 (集英社文庫)
発売日2015-01-20
製作者中村 安希
販売元集英社
JANコード9784087452747
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

メス豚はそうでもないが、大きなオス豚などの横に立つと、恐怖さえ感ずる。豚はかなり知能が高く、子豚等をペットにしている方も多いし、豚のグッズは世界中で愛されている。豚ほど、人の“喩”に用いられる動物はないと思います・・・“おまえ、豚のようだな”といわれて喜ぶ人はいないでしょう。しかし、豚はそれ以外に、人間の医学においても大きな貢献をしてきた。豚は世界中で好かれたり、嫌われたりの存在です。勿論、イスラム教圏やユダヤ教圏では、コーラン、旧約聖書で忌避の存在である。このことはある程度常識ですが、ムスリム(イスラム教徒)等の食生活を知れば、食べ物に関する厳しい戒律がお分かりになるでしょう。本書は、帯に、「なぜ、豚は。世界中で好かれ、同時に、激しく、嫌われるのか?」とある。本書は、著者が世界をめぐって綴った”豚”に関する非常に興味深く、面白い考証・・・豚論である。イースラムが国教である北アフリカのチュニジア、ユダヤ教のイスラエルなどにおける著者の興味深い記述は、直接お読みください。
さて、著者によれば、豚は牛や羊に比べて、飼料から肉(脂肪も含む)への変換効率の高さ、また、妊娠期間も短いという生産効率の高さ(利点)が・・・世界各国で飼育される理由であることを確信したという。実際、世界における豚肉の生産量、消費量は牛肉、鶏肉を上回っている。豚は猪を品種改良したものだが、豚は野生の猪と交尾して野生種に戻る適応力があるという。著者は、チェルノブイリで、事故後半径30キロ圏内に残された家畜は、将来への危険性の除去の観点から、すべて射殺され焼却されたことを知る。私は、この処置の判断は正しかったと思う。さて、3・11の原発事故の周辺で飼育されていた家畜は如何であったろうか、残された豚と猪の交配種が増えているという情報もあるが・・・。
表紙のブタサンが可愛いが、我々は『愛と憎しみの豚』と、他の生物を毎日のように食している、そうして我々は生きているのです。
本書は、豚の存在の素晴しさを再確認でき、非常に興味深く、面白い。
超お薦めの一冊。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

愛と憎しみの豚 (集英社文庫)

アマゾンで購入する
集英社から発売された中村 安希の愛と憎しみの豚 (集英社文庫)(JAN:9784087452747)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.