頭のそうじ 心のそうじ―人生をキレイにする の感想

　「掃除」と聞いただけで嫌になる、そんな人が多い。著者はひたすら「掃除の実践」を通して環境を、人生を変えた人。

　社長になっても、トイレから始めて、仕事場、廊下、玄関まで毎日ピカピカに掃除するのだった。「環境が変われば、人も変わる」と信じたのである。
　自分の手足を使って環境をきれいにすることは「頭や心の掃除につながる」というのが、本書のテーマでもある。
　頭の掃除…基本的な考えは「結果がわかるからこそ、その原因になることはしてはいけない」ということ。因果関係の見通しとも言える。天下国家や公のことを考えている人には悩み事は少ない。いつも自分以外のことに思いを馳せている。、
　心の掃除…利己心を捨て、人に親切にする心。己のために計らわずの精神「無私の精神」を持ちたいものである。比較競争社会における虚栄心捨てること。日本人は心から内部崩壊しないよう、心すべきである。
　四十年以上掃除を実践してきた著者の「あとがき」には、次のようにある。

　ゴミが落ちていたら、すぐ拾ってください。そのぶんだけ街がきれいになります。ほんの小さなことを徹底して、しかもなんの見返りも求めずやりつづけるのです。平凡で小さなことの積み重ねのなかにこそ、人を感動させるものが秘められているのです。

その後、毎日のように公園の掃除に行っています。公園の掃除をすると、こんなに清清しい気持になるとは、これも本書を読んだ功徳でしょう。