赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫) の感想

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参照データ

タイトル赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫)
発売日2013-12-20
製作者スタンダール
販売元光文社
JANコード登録されていません
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » フランス文学

購入者の感想

野崎氏の訳について、スタンダール研究会の会報で指摘された「誤訳」箇所のいくつかを、原書・英訳書・新潮文庫の和訳書・本書をつきあわせて検討してみました。一つ例をあげると、原文では「レナール氏の部屋からいびきが聞こえた」と書いてあるのに、野崎氏の訳(第2刷)では「レナール夫人の寝室の扉で耳を澄ますと、寝息が聞き分けられた。」と書いてあります。これは明らかな誤訳です。原文にあるM.(男性につけるムッシュの略称)を、女性につけるマダムの略称と間違えているのです。不思議なのは、フランス語学者で「赤と黒」の愛読者であると言われる野崎氏が、こんな単純な間違いをするはずがないということです。とすれば、この部分は、フランス語の基礎学力がなく、しかも「赤と黒」をこれまで読んだこともない人間が訳したと考えざるを得ません。なお、この誤訳箇所は、第3刷では、「レナール氏の寝室の扉で耳を澄ますと、いびきが聞こえた。」と改めてあります。その他の誤訳箇所も、今後の増刷のたびに訂正されていくと思いますので、購入される場合は、もう少したってからのほうがいいかもしれません。
なお、文体の面については、特に画期的といえるところはなく、あえて野崎氏の訳を読む必要はありませんので、野崎氏のファンでなければ、新潮文庫や世界文学全集などの既訳を読まれるとよいでしょう。

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