罪と罰(下)(新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル罪と罰(下)(新潮文庫)
発売日2016-07-29
製作者ドストエフスキー
販売元新潮社
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » ロシア・東欧文学

購入者の感想

賛否あれど現代最高峰の小説家の一人村上春樹さんが敬愛するドストエフスキーの重要な小説の一つですが、貧乏のどん底にあった大学生ラスコーリニコフが自分の心に闇に付け込まれ、悪魔に仕組まれたと思わざるを得ない絶妙なタイミングで条件が揃い、かねてから妄想していた目的(殺人)を犯してしまう。

頭の切れる美しい青年ラスコーリニコフと家族の為に娼婦となった幼い少女ソーニャが日本最高峰のアニメ作家富野由悠季さんのガンダムのシャアとララァに重なりました。この小説が日本の優れた表現者たちに多大な影響を与えたであろうことが読み進める内にズンズン実感として感じられました。

人間の醜悪な部分、悲劇、心の闇、そこに付け込む悪魔をこれでもかこれでもかと時代性と臨場感と真実性を持って見せつけられますが、最後のエピローグで救われました。

ドストエフスキーが悪魔の存在を描くことで同時に神の存在を描き、愛(光)の大切さを人類に説いた名作。

自分の心の位置や成長或いは後退を知悉するだめにも、これからの人生で繰り返し読み続けたい世界最高峰文学の一つです。

~以下、下巻より~

ソーニャは叫んだ。「あなたは神様のおそばをはなれたのです、神様があなたと突きはなして、悪魔に渡したのです!」~略~
「お黙り、ソーニャ、ぼくだって、悪魔にまどわされたくらいは知っているよ。お黙り、ソーニャ、お黙り!」と彼は憂鬱そうにしつこくくりかえした。「ぼくはすっかり知っているんだよ。そんなことはもう暗闇の中に寝ていたとき、何度となく考えて、自分に囁きかけたことなんだ・・・」

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