逆問題の考え方 結果から原因を探る数学 (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトル逆問題の考え方 結果から原因を探る数学 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者上村 豊
販売元講談社
JANコード9784062578936
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購入者の感想

逆問題の本ではあるが、最小二乗法、特異値分解、正則化の概念については、よくある最適化の本を読むより、この本の6章、7章を読んだ方が分かりやすいはず。例として簡単なものを選んでいるので、つまずかずにすむ
親父ギャクが寒いのは事実であるが、それを理由にこの本を読まないのはもったいない

逆問題というカテゴリーが新鮮。

読んでみると、理系の研究経験のある人であれば誰もが出会う問題である。

私の場合は学生時代に、
X線スペクトルから結晶構造(格子定数)を決定するのに苦労した経験がある。
この本を読んで、あれは逆問題を解いていたのだと分かった。
確かに「誤差に対する鋭敏性」があり、
それを回避するためのテクニックを使っていたのを思い出した。

この本で面白かったのは第6章7章の「連立1次方程式の正則化法」だ。
これらの章では逆問題を解くための数学的な方法論が提示される。
(線形の1次方程式という、最も簡単な場合についてではあるが。)
数学的で地味な箇所ではあるが、筆者が最も書きたかったのはココではないかと思われる。
これらの章を理解するには、大学初年級の理系の知識(主に線形代数)が必要である。

逆問題を解くための具体的な方法は、各分野において実践的なテクニックがあるわけだが、
それを数学的に一般化できるという点が面白かった。

他の章の「クレーター探し」や「エネルギー量子の発見」などの派手なトピックスは
逆問題の具体例として書かれているのだが、逆問題の構造としては漠然としており、
第6章7章との繋がりが希薄である。
(トピックの派手さを優先するあまり、本書で解説されている「線形の1次方程式」に
落とし込めないようなトピックを選んでしまっている。)

これらのトピックスが第6章7章にしっかり繋がるような(簡素にして興味深い)具体例であったならば、
本書はかなりの名著になっていたと思う。

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