「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン (和樂ムック) の感想

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参照データ

タイトル「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン (和樂ムック)
発売日2015-01-31
販売元小学館
JANコード9784091054678
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購入者の感想

最近の美術史の捉え方として「琳派」というジャンルが一般化されています。
また近年とみに「琳派」に脚光があたっています。江戸時代前期に俵屋宗達が確立した装飾画のジャンルを尾形光琳がさらに発展させたことにより、江戸時代を代表するような華麗なる装飾絵画が花開いたわけで、今年の「琳派400年」に立ち会えたのは幸運です。このような出版も多いでしょう。
なお「琳派」の「琳」とは、「美しい玉が触れ合って奏でる微妙な音を意味する漢字」だということを見知っています。

冒頭に俵屋宗達の名作「風神雷神図屏風」が大写しで登場します。折り込みの中側は、尾形光琳の「燕子花図」が掲載されています。根津美術館所蔵の名品です。
キャッチコピーの通り、「永遠に新しい、日本のデザイン」ですし、「琳派って、クラシック?  いやモダン!」という捉え方の通り、現代人の感覚にマッチする画風が展開してありました。

本書はまず、「琳派がわかる八つの鍵」として、黄金力、超装飾、偶然の美技、構成の妙技、円を駆使した巧技、型の裏技、彩色美、王朝夢、という8つのキーワードを提示して観賞すべき点をアシストしていました。

圧巻とでもいうべき尾形光琳(54p以降に伝記が記されています。参考になりました。)の「紅白梅図屏風 (MOA美術館蔵 50pに詳細な解説あり)」も20ページの見開きで掲載しています。「宗達に憧れ、フォーマットを継承しつつ 独自の大胆さで アレンジし続けた 尾形光琳」というような実に分かりやすい説明がしてありました。
最速「入門」の本かもしれませんが、日本美術に関心のある向きにも知識のブラッシュアップに最適な解説が施されていると思いました。大きな判形ですので、作品の詳細を観賞する際にもストレスはありません。随所にクローズアップして掲示してあるので、見過ごしている美しさをしる切っ掛けにもなりました。印刷の仕上がりの美しさが本書の質を保証していました。

俵屋宗達が養源院の杉戸絵に描いた大胆な「白象図(重要文化財)」が41ページ全てを使用して掲載してありました。この奔放性と独創性は現代の意匠工芸につながる斬新さに満ち溢れています。見事なデザインです。

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