Fライフ 2号: ドラえもん&藤子・F・不二雄公式ファンブック (ワンダーライフスペシャル) の感想

映画「STAND BY ME ドラえもん」の公開に合わせて作成されたムック本なので、巻頭特集は当然のように、映画の特集から始まる。
冒頭から、監督インタビューや設定原画などが掲載されている。
ただ映画特集はそれほど分量が多くなく、ドラえもんの複製原稿が多数収録されていたりと、3Dのドラえもん映画に興味の無いドラえもんファンにも嬉しい。特に付録である原寸大源がポスターは、原稿の裏側のテープ跡まで再現されているという謎の高クオリティ。F先生でさえ、けっこう原稿にホワイトで修正を入れていることなどが知れてファンには嬉しい。

自分が一番楽しんで読んだのは、各界著名人によるドラえもんコラム。
「人生やり直し機」を起点に、「きれいなジャイアン」のゾクゾクするところは「元のジャイアンが葬り去られるその不気味さに触れないところ」という持論を展開する伊集院光。
「誰よりも美しいものを愛する心を持つジャイ子はそのうち、自分が美しくないことに気付くでしょう」から始まる光浦靖子のジャイ子に対する思い。
「なぜドラえもんはのび太のところにしか来ないのか」を軸に、時間SFとしてのドラえもんを考察する浅羽通明。
空き地の土管についての考察を広げる大山顕。
等々、ドラえもん読み物としてとて大変満足できる。

ただし明らかに大人ファン・オールドファン向けなので、子供のドラえもんファンにとっては対象年齢が高すぎるとも思う。