天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者三島 由紀夫
販売元新潮社
JANコード9784101050249
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

 本作品は昭和45年8月に結末のみ先に書かれ、11月25日に結末に至るまでの部分が編集者に渡されたとのことです。

「豊饒の海」という題名は第一巻巻末にあるように「豊かの海」とも訳されるラテン語の「Mare F(o)ecunditatis」の邦訳。「月のカラカラな嘘の海を暗示」し、宇宙的虚無感と豊かな海のイメージをダブらせているそうです。

 作者は日本文学研究者ドナルド・キーン氏に自分の死後「豊饒の海」全四巻の翻訳がなされるよう尽力を頼み、「そうすれば世界のどこかから、きっと小生というものをわかってくれる読者が現れると信じます」と言っています。

 賛否両論ある結末を持つ作品ですが、「豊饒の海」全四巻を一気呵成に読まれることをお薦めします。特に第一巻の門跡の法話や第三巻前半を良く頭に入れることが必要だと思います。

 私もこの衝撃的な傑作について、少しでも本質に迫るために何度でも読み直したいと感じました。なお、僭越ながら現在の個人的感想を言わせていただくと、物語性が最後に否定されようと、主題をもって深く心を抉る作品でありました。全四巻に渡り、人間というものが過剰なまでに克明に、そして鮮やかに描かれ、それが結末との対比を醸し出すのではないかと思いました。

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新潮社から発売された三島 由紀夫の天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)(JAN:9784101050249)の感想と評価
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