ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉 (新潮文庫) の感想

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タイトルローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者塩野 七生
販売元新潮社
JANコード9784101181769
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

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帝国巡回の旅に出たハドリアヌス。塩野氏が、ハドリアヌスが挑発して勃発させたと論じるユダヤ反乱を制圧し、ローマ帝国の不安要素をほぼ排除します。しかし、後に「一貫していないことでは一貫している」と評される性格のハドリアヌスは、晩年、単なる気難し屋とも言える行動が多くなります。塩野氏は、この原因を「年齢(高齢)」「病気」だけでなく、やらねばならない仕事はすべてやったという精神のゆるみに求めます。ハドリアヌスがそれだけ働きに働いたということの裏返しといえるでしょう。
功績が大きいながらも元老院からも市民からも疎まれて死んだハドリアヌス。その後を受けたアントニヌス・ピウスは、その名のとおり、「慈悲深い(ピウス)」政治を行い、人気を得ます。その治世は23年の長期に亘りながら割かれた紙幅はたった50ページ。この時代がローマ帝国にとってあまりにも平穏で、塩野氏曰く、「特筆に価する新しいことは何一つしないのがアントニヌスにとっての皇帝の責務の果たし方であった」。
本書のみどころのひとつとして、現代にも通じるキリスト教とユダヤの関係に、ローマ帝国がどのように関わったのか(ハドリアヌスによる対ユダヤ政策)を挙げておきたいと思います。さまざまな因果が絡み合う歴史の「あや」を感じさせる項です。

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