社会的インパクトとは何か――社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド の感想
参照データ
タイトル | 社会的インパクトとは何か――社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド |
発売日 | 2015-10-14 |
製作者 | マーク・J・エプスタイン |
販売元 | 英治出版 |
JANコード | 9784862762078 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 社会・政治 |
購入者の感想
掲題に本書の本質を書いた。
当たり前のことが書いてあるー!と叫んでいる読者は、
果たしてその当たり前のことをここまで言語化できるのだろうか。
本書の価値、それは成功(持続のサイクルを確立)しているソーシャルビジネスや
非営利組織の暗黙知をビジュアル化・言語化できていることに意味がある。
ドラッカーの『非営利組織の経営』と併せて読めば、それだけで何十年もの間
暗黙知化されていた理論を追体験することが出来る。
“熱意・やる気・自己犠牲”にうんざりした全ソーシャルワーカーに捧げたい一冊。
当たり前のことが書いてあるー!と叫んでいる読者は、
果たしてその当たり前のことをここまで言語化できるのだろうか。
本書の価値、それは成功(持続のサイクルを確立)しているソーシャルビジネスや
非営利組織の暗黙知をビジュアル化・言語化できていることに意味がある。
ドラッカーの『非営利組織の経営』と併せて読めば、それだけで何十年もの間
暗黙知化されていた理論を追体験することが出来る。
“熱意・やる気・自己犠牲”にうんざりした全ソーシャルワーカーに捧げたい一冊。
本書はEpstein & Yuthas (2014) 『Measuring and Improving Social Impacts』の日本語版である。
グローバル化・高齢化などが進展する今日、私たちは貧困、健康、気候変動などの数多くの社会的・環境的問題に直面している。これらの問題解決には、これまで主として税金が使われてきた。しかしながら、現在、多くの国で財政が悪化しており、税金のみでこれらの問題解決を行うことには限界がある。そのため、現在、「寄付」や「社会投資」が注目されてきている。一方で、事業を遂行する上でコストパフォーマンス(費用対効果)の測定は必須であるが、社会的活動による社会的変化(成果)を測ることはこれまであまりなされてこなかった。今後もこれらの問題解決を効果的に継続していくには、活動にかかわる側が、活動により起こしたい変化を論理的に説明し、活動のインパクトを測定し、そのプロセスでさらに活動を内容を進化させていく必要がある。同時に活動を支援する側もこのような努力をきちんと評価できる仕組みを構築する必要がある。
本書は社会的インパクトを生み出すための事例を数多く分析した、体系的・包括的な解説書である。本書は、企業、民間非営利組織、投資家らが直面する根本的な5つの質問、すなわち
①何を投資するのか?
②どの問題に取り組むのか?
③どのような手順を踏むのか?
④成功はどのように測定するのか?
⑤インパクトを大きくするにはどうすればいいのか?
に基づいて構成されている。それに加えて、多くの(主としてアメリカの)ケーススタディが掲載され、各章末には、私たちが実際に取り掛かりやすいように行動指針が記されている。
また、付録に「日本で社会的インパクト投資と評価をすすめるために」があり、翻訳書にかけがちな、日本の読者にも配慮している点も評価できる。
本書は学びの多い良書であり、社会的事業に携わる、NPO、企業、行政の企画・評価担当者の必読書である。
(私は英治出版の読者モニタープログラムにより無料で書籍を受け取りました。良い評価を書くよう促されてはおらず、レビューはあくまでも個人としての見解です。)
グローバル化・高齢化などが進展する今日、私たちは貧困、健康、気候変動などの数多くの社会的・環境的問題に直面している。これらの問題解決には、これまで主として税金が使われてきた。しかしながら、現在、多くの国で財政が悪化しており、税金のみでこれらの問題解決を行うことには限界がある。そのため、現在、「寄付」や「社会投資」が注目されてきている。一方で、事業を遂行する上でコストパフォーマンス(費用対効果)の測定は必須であるが、社会的活動による社会的変化(成果)を測ることはこれまであまりなされてこなかった。今後もこれらの問題解決を効果的に継続していくには、活動にかかわる側が、活動により起こしたい変化を論理的に説明し、活動のインパクトを測定し、そのプロセスでさらに活動を内容を進化させていく必要がある。同時に活動を支援する側もこのような努力をきちんと評価できる仕組みを構築する必要がある。
本書は社会的インパクトを生み出すための事例を数多く分析した、体系的・包括的な解説書である。本書は、企業、民間非営利組織、投資家らが直面する根本的な5つの質問、すなわち
①何を投資するのか?
②どの問題に取り組むのか?
③どのような手順を踏むのか?
④成功はどのように測定するのか?
⑤インパクトを大きくするにはどうすればいいのか?
に基づいて構成されている。それに加えて、多くの(主としてアメリカの)ケーススタディが掲載され、各章末には、私たちが実際に取り掛かりやすいように行動指針が記されている。
また、付録に「日本で社会的インパクト投資と評価をすすめるために」があり、翻訳書にかけがちな、日本の読者にも配慮している点も評価できる。
本書は学びの多い良書であり、社会的事業に携わる、NPO、企業、行政の企画・評価担当者の必読書である。
(私は英治出版の読者モニタープログラムにより無料で書籍を受け取りました。良い評価を書くよう促されてはおらず、レビューはあくまでも個人としての見解です。)