日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか---「スーパー現場」が顧客情報をキャッシュに変える の感想
参照データ
タイトル | 日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか---「スーパー現場」が顧客情報をキャッシュに変える |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | フランシス・マキナニー |
販売元 | ダイヤモンド社 |
JANコード | 9784478026571 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 実践経営・リーダーシップ |
購入者の感想
書名はわからないでもないが、著書の内容にはずっと具体性があり、単なる問題提起だけの書ではない。
著者の課題意識は、「モノづくり」の定義が狭すぎることと、失敗した日本企業の「モノづくり」が、顧客の潜在需要を徹底的に理解しようとするところから始まっていないということにあるようだ。
そのような文脈において、「現場」という日本語を、顧客の事業プロセス全体にかかわる情報が、広く、深く入ってくるそういう「場」として再定義しているところに著者の視点の面白さがある。イノベーションを考えるとき、コンセプトつくりの発想の自由さが頻繁に語られるが、著者の場合、「斬新な発想」より、グローバルに拡大された「現場」から得られる顧客情報を企業が咀嚼し、具体的な答えを出すことに大きな価値を置いている。
書名が何であれ、日本企業の得意分野を拡大すればそこに復活の答えはあるという、強いはげましの書であるように読め、その意味では、顧客を選んで応用技術を提供する日東電工が何度も引用されているは、著者がコンサルタントを務めているからという以上の理由がありそうに感じられた。
なお、辛辣な語り口、日本の企業文化へのやぶにらみな目線は、読んでいて楽しく、訳文もよくこなれている。真剣に考えながら読んでも、語り口を楽しみながら斜め読みしても可。イノベーションを考えるとき、「アイディエーション」や「サービス化」(著者によればそれは顧客のプロセス理解の結果にすぎない)といった「ないものねだり」の議論を聞き飽きたと思っている人にはお勧めである。
著者の課題意識は、「モノづくり」の定義が狭すぎることと、失敗した日本企業の「モノづくり」が、顧客の潜在需要を徹底的に理解しようとするところから始まっていないということにあるようだ。
そのような文脈において、「現場」という日本語を、顧客の事業プロセス全体にかかわる情報が、広く、深く入ってくるそういう「場」として再定義しているところに著者の視点の面白さがある。イノベーションを考えるとき、コンセプトつくりの発想の自由さが頻繁に語られるが、著者の場合、「斬新な発想」より、グローバルに拡大された「現場」から得られる顧客情報を企業が咀嚼し、具体的な答えを出すことに大きな価値を置いている。
書名が何であれ、日本企業の得意分野を拡大すればそこに復活の答えはあるという、強いはげましの書であるように読め、その意味では、顧客を選んで応用技術を提供する日東電工が何度も引用されているは、著者がコンサルタントを務めているからという以上の理由がありそうに感じられた。
なお、辛辣な語り口、日本の企業文化へのやぶにらみな目線は、読んでいて楽しく、訳文もよくこなれている。真剣に考えながら読んでも、語り口を楽しみながら斜め読みしても可。イノベーションを考えるとき、「アイディエーション」や「サービス化」(著者によればそれは顧客のプロセス理解の結果にすぎない)といった「ないものねだり」の議論を聞き飽きたと思っている人にはお勧めである。