ウォール街のアルゴリズム戦争 の感想

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タイトルウォール街のアルゴリズム戦争
発売日販売日未定
製作者スコット・パタースン(Scott Patterson)
販売元日経BP社
JANコード9784822251079
カテゴリ » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 » 一般・投資読み物

購入者の感想

 本書は、2014年10月に刊行され論争を巻き起こした、米国の高頻度トレーダー(HFT)を描いたマイケル・ルイス著「フラッシュ・ボーイズ」の続編(別編)ともいえるものである。「フラッシュ・ボーイズ」がプレーヤーであるHFTに焦点をあてたものであるのに対し、本書はその舞台となった取引所(の進化)が主役である。

 卓越した一人のコンピュータ・オタク、ジョシュア・レヴィンが「コンピュータを通して世界を変える」という目的のために、「ウオッチャー(ナスダックの取引記録を取り込めるシステム)」、「モンスターキー(時間より価格優先という規則を利用した発注システム)」、さらにはマーケット・メーカーを迂回できる画期的電子プール「アイランド」を創造したことで、取引所間の絶え間なき技術革新/競争が引き起こされ、やがてはNYSE(ニューヨーク証券取引所)やナスダックという金融の中心に位置する取引所が変革にさらされ(NYSEはアーキペラゴを、ナスダックはアイランドを飲み込んだ)、さらには新種の取引形態やプレーヤー(HFT)も産まれるに至ったという実話である。

 すなわち、フェディリティやバンガードのような大口投資家(ホエール)が、彼らの注文に先回りして小銭を稼ごうとする新種のハンター探索アルゴリズムから逃れるべく、NYSEやナスダックのようなリットプール(照らされた取引所)からダークプールに避難したが、そこもまたアルゴロボが占領するようになっていったのだ。例えば、2009年時点でHFTは米国株全体の取引の4分の3を支配しており、また、2012年までに、ダークプールと金融機関の店内取引が全取引高の40%を占めるようになったとのことである。さらに、ホエール・ハンティングだけでなく、「「競合するコンピュータ・アルゴリズム間のグローバル競争」」で「市場は「いろんな種類のピラニア」が高速・狂乱状態で互いを食い合う湖へと進化した」(p.101)のである。

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