ニコ・ピロスマニ 1862‐1918 の感想

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参照データ

タイトルニコ・ピロスマニ 1862‐1918
発売日販売日未定
製作者ニコ ピロスマニ
販売元文遊社
JANコード9784892570568
カテゴリアート・建築・デザイン » 画家・写真家・建築家 » 外国人画家 » その他

購入者の感想

ニコ・ピロスマニ(Niko Pirosmani、1862−1918)、グルジアの画家。グルジア東部のミルザーニ出身、後にトビリシに出て、鉄道で働いたり自分の商店を持ったりしたが、体が弱いことや、人付き合いが苦手だったためか長続きせず、独学で習得した絵を描くことに専念、グルジアを放浪しながら、居酒屋の壁の絵や、看板描きをして日銭を稼いで暮らす。一旦はロシア美術界から注目されたが、そのプリミティヴな画風から新聞などに幼稚な絵だという非難を浴び、一九一八年、貧困のうちに死去。死後グルジアで国民的画家と称される。
 というのが作者のおおまかな略歴だが、それはさておき、遠近法によらず描かれた彼の絵は、おそらくロシア正教、イコンの持つ二次元的な世界に通じるのかもしれないが、かなしく優しい。放浪しつつ、世界と関わったことで、距離を持った上での、客観にあふれているともいえるし(それは不思議なリアリティを放っている)、また、放浪という孤独さが、絵にとけだしているともいえる。寂しさと温かさが混在している。鹿、豚、ロバ、ライオン…彼は動物画も多く描いているが、それがまた人懐っこいようでもあり、孤独に満ちているようでもあり、あるいは食されるものとして、と様々な面を称えてこちらを見据えているのにひかれる。この画集は、そうした彼の絵、217点をも紹介、年譜、エッセイも充実した、見ごたえのある一冊。日本初の彼の画集ということも、彼を紹介してくれるという、その誠実な行為に、評価、敬意を表したいと思う。

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