記録を残さなかった男の歴史―ある木靴職人の世界 1798‐1876 の感想
参照データ
タイトル | 記録を残さなかった男の歴史―ある木靴職人の世界 1798‐1876 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | アラン コルバン |
販売元 | 藤原書店 |
JANコード | 9784894341487 |
カテゴリ | ノンフィクション » 歴史・地理・旅行記 » 歴史 » 西洋史 |
購入者の感想
帚木蓬生の『聖灰の暗号』でアナール派という歴史家と、その代表者の一人であるアラン・コルバンのこの本の存在を知った。
滅ぼされた民族は記録を残さない。その人達のことは滅ぼした人たちの記録からしか分からない。
それを相手側の記録ではなく、滅びたものの記録を直接探り出そうというのがこの本の試みだとおもっていた。
ランダムに戸籍台帳から選んだ市井の人(ビナゴ)を、周辺の資料から個人としてあぶり出していくものを期待していた。
しかし、結果は・・・そうではなかった。
ビナゴが見たであろう世界を再現したのであった。
そうであれば別にビナゴでなくてもよかった。同時代の、同世代の、同じ地域にいる人であれば同じ世界を見たのであろうから、別に誰でも良かったのではないか。時代や地域が特定されれば、その世界を描くことはそれほど難しくはない。
そういう意味でも、ちょっ肩すかしであった。
ただ、このような非常にマイナーな本が翻訳され、出版されていることはありがたいことである。
日本の文化レベルを示すものとして誇りたい。
滅ぼされた民族は記録を残さない。その人達のことは滅ぼした人たちの記録からしか分からない。
それを相手側の記録ではなく、滅びたものの記録を直接探り出そうというのがこの本の試みだとおもっていた。
ランダムに戸籍台帳から選んだ市井の人(ビナゴ)を、周辺の資料から個人としてあぶり出していくものを期待していた。
しかし、結果は・・・そうではなかった。
ビナゴが見たであろう世界を再現したのであった。
そうであれば別にビナゴでなくてもよかった。同時代の、同世代の、同じ地域にいる人であれば同じ世界を見たのであろうから、別に誰でも良かったのではないか。時代や地域が特定されれば、その世界を描くことはそれほど難しくはない。
そういう意味でも、ちょっ肩すかしであった。
ただ、このような非常にマイナーな本が翻訳され、出版されていることはありがたいことである。
日本の文化レベルを示すものとして誇りたい。