The Tragedy of X (Drury Lane Mysteries) の感想
参照データ
タイトル | The Tragedy of X (Drury Lane Mysteries) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Ellery Queen |
販売元 | Blackstone Audiobooks |
JANコード | 9781483036014 |
カテゴリ | Subjects » Mystery & Thrillers » Mystery » Hard-Boiled |
購入者の感想
読んだ。面白かった。四十年ぶりの再読だった。
ミステリーは読んでいるが、本格ものはずいぶん久しぶりだった。よく本格ものはパズルに譬えられるが、最近は、いまさら味もそっけもないパズルなんて、とどこかで感じていたような気がする。
ドルリー・レーンの何と個性的なことか。引退した偉大なるシェイクスピア俳優。耳は聞こえなくなったが、驚異的な読唇術で、ハンディをほとんどカバーしている。シェイクスピアの台詞の飽くことなき引用や蘊蓄も、その設定のおかげで自然である。
謎の設定や解明は、言うまでもなく申し分ない。今読んで改めて感じるのは、執筆時のアメリカの青年期ともいえる時期のダイナミズムである。あるいは、いかに小説中のこととはいえ、レーンが警察当局の代理人になるような行為を描いているのも驚きだった。
これまで読んだことのない人には、本書は本格もののみならずより広い意味でのミステリーとしても極上のものであろう。だが、若い頃読んだ記憶がある、という人にこそ勧められる本でもある。自分の中にあるミステリーの基準が再確認され、新たな発見があるに違いない。
ミステリーは読んでいるが、本格ものはずいぶん久しぶりだった。よく本格ものはパズルに譬えられるが、最近は、いまさら味もそっけもないパズルなんて、とどこかで感じていたような気がする。
ドルリー・レーンの何と個性的なことか。引退した偉大なるシェイクスピア俳優。耳は聞こえなくなったが、驚異的な読唇術で、ハンディをほとんどカバーしている。シェイクスピアの台詞の飽くことなき引用や蘊蓄も、その設定のおかげで自然である。
謎の設定や解明は、言うまでもなく申し分ない。今読んで改めて感じるのは、執筆時のアメリカの青年期ともいえる時期のダイナミズムである。あるいは、いかに小説中のこととはいえ、レーンが警察当局の代理人になるような行為を描いているのも驚きだった。
これまで読んだことのない人には、本書は本格もののみならずより広い意味でのミステリーとしても極上のものであろう。だが、若い頃読んだ記憶がある、という人にこそ勧められる本でもある。自分の中にあるミステリーの基準が再確認され、新たな発見があるに違いない。