わたしを離さないで [DVD] の感想

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参照データ

タイトルわたしを離さないで [DVD]
発売日2012-06-02
監督マーク・ロマネク
出演キャリー・マリガン
販売元20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
JANコード4988142884527
カテゴリDVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ

購入者の感想

日本でテレビドラマで放映しており考えさせられるDVDです、これが原作かと思いました。

とても静かな世界を遠くから見ている印象ですが、見終わってからも、現実と重なって存在しているような感じが残りました。不思議で奇妙な感覚がいつまでもつづきます。ノーベル賞受賞の意味がわかるような気がしました。

映画鑑賞後、最初に出て来たアンドリューガーフィールドの手術室に入る前の映像が心に重く残りました。

人里離れたところにある寄宿学校。
外には、恐ろしいことが待ってる。噂を信じて寄宿学校の外に出たがらない少年・少女達。
印象に残る音楽と少年・少女達の退屈で淡々とした日常が描かれます。とても綺麗な映像。
ボーイ・ミーツ・ガール。
何かを与えるために、生まれてきた少年・少女達は過酷な運命を受け入れながら、一方で幼いながら人として悩み苦しみます。
その時がくるまで。予め決められた短い人生をまっとうするために。
映画の中盤あたりで、彼らの過酷な運命(使命)を語る担任教師の言葉が胸をうちます。
それを、幼い子供たちは受け入れます。内面の戸惑いは表に出さずに。トミーの優しさに心打たれます。
キャシー・トミー・ルースには、寄宿学校を離れると少しばかりの自由が与えられます。
涙してください。
キャシー、トミー。ルース。
短いときを、それぞれが速足で駆け抜けていき、大人が予め決めてしまった運命を受け入れる。
僕らには出来るだろうか?
「こんなこと」を。
「許せるだろうか。こんな一生を。」と。
この映画を観て自問自答します。
キャシーは、トミーに出会い、ルースに出会い良かったねと。トミーは、キャシー・ルースに。
ルースは、トミーに・・・キャシーに出会ってほんとによかったね。
3人の運命は、あることのために生かされていたのではなくて人として生きていた。
3人が出会うことが本当の予め決められた運命、逃れられない運命、宿命だったと思わされます。
少年・少女の犠牲を払ってまで延命したりしても、それで長く生きても結局 すべての人に『終了』はやってくる。
ルースの終了場面では 涙が止まりません。
そして、トミーも。

私たちは、運命に逆らって逆境を乗り越えることばかりを考えていたような気がします。
逆境を受け入れるより、乗り越えることがあたかもとても価値があることのように教えられてきたに過ぎないのに・・。
今まで大人たちは特に、そうやって生きてきたように思う。
正しかったのだろうか。

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