CHAOS;CHILD の感想

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まず主人公が好きです。過去作の反省なども踏まえているのでしょうか、理屈屋の小心者ではありますが等身大的高校生でかわいいです。
前作ナイトハルトに比べるとエキセントリックな魅力や妄想力には欠けますが随分と取りつきやすいキャラになりました。
お話はその分こぢんまりした印象で、身近な人物を中心によくまとまっていて詩情すら感じます。悪意的な展開も多いですが…。
全容の見えない序盤こそ言動や辻褄的に違和感を覚える場面もところどころあって少し不安になりましたが、その殆どは後に合点がいきました。厳密な理詰めを求めては粗も見えるかもしれませんが、ギガロマニアックスというトンデモを前提とした娯楽ミステリとしては十分納得して楽しめます。

グロ描写は絵としては露骨すぎるものではなく、ユーザの想像力に委ねるような心情的なおぞましさをそそる方向かと思います。
バトル描写はこのシリーズの常で面白くはないですね。状況によってはほとんど何でもありになる割には有効手を打たずくどくなりがちです。
システム面に関しては、選択肢間が大きいために周回プレイ時のスキップ待ち時間が長いとか細かい改善点はありそうですが概ねサクサク気持ちよく動きます。個別の音量調整なども細かく設定できます。見た目的にも恰好よくて好きです。

このシリーズの良さの一つは重要な舞台背景であるネット文化への造詣の深さですよね。付け焼刃的に扱っては、ややもすると上滑りしてしまいがちですが、この辺にはかなり気を使ってそうなので安心できます。それに対する登場人物毎のスタンスや理解の違いなども深みが増して面白い要素だと思います。

本編クリアしたのでレビューしていこうと思います。

私は科学ADVシリーズではシュタインズゲートのみしかプレイしておらず、このゲームの前作にあたるカオスヘッドもよく知りませんでした。なので購入をやめようと思ったのですが、他のネットのレビューを見てみるとかなり評価が高かったので購入に踏み切りました。

その完成度は予想以上でした。事件が主人公にじわじわと迫ってくる感じは想像以上にゾワッと来ました。そして、一連の事件の真相が明らかになってからエンディングまでの流れは思わず涙を流し、エンディングの後は一時間ぐらい放心してました。

こんなにも感動したのは、主人公にすんなりと感情移入出来たことが大きかったと思います。特に、ある事件に対するネット掲示板の反応には完全に主人公と同じ気持ちになりました。

システム面についてですが、もう少し個別ルートへの分岐を分かりやすくしてほしかったのと、一部文字が読みにくいという点以外では特に問題なく快適にプレイできました。

以上のことを総合して星5にします。このゲームはシュタインズゲートしか知らないという方でも充分おすすめできるゲームです。今作を通して前作のカオスヘッドのことも知りたいと思ったのでそちらもプレイしたいと思います。