三匹のかいじゅう (集英社文庫) の感想

山登りの好きなシーナ家に生まれた「岳」。喧嘩の強い坊主頭の息子と父親の姿を描いた『岳物語』から約30年。椎名誠の私生活を素材にしたシリーズ新作が本書である。“かいじゅう”とは著者の長男・岳の子どもたち、著者の孫である。長いアメリカ生活をしていた岳・一家も帰国し、孫たちから“じいじい”と呼ばれ、忙しくも楽しい日々が続く。週末は「大家族食事」大会の如きである。“じいじい”にとってはいまやそれが楽しみなんである。そして3人目の孫の名付け親も頼まれた・・・“わたしにとっての三匹のかいじゅうたちは、帰国後四年目の春を迎えて、それぞれに成長したようだ”。大震災の影響も・・・。
孫と遊ぶ“シーナじいじい”、3世代家族の物語。