ダライ・ラマとの対話 (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | ダライ・ラマとの対話 (講談社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 上田 紀行 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062766470 |
カテゴリ | 人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門 |
購入者の感想
先日、はじめてダライ・ラマ法王の来日セミナーに参加してきた。人生は一期一会、この機会を逃したらスケジュールがとれない可能性があると思って参加申し込みをしたのだが、やはりなんといってもライブは違うと思ったのであった。
現代に生きるわれわれの悩み、苦しみにダイレクトに向き合い、対機説法を行うダライ・ラマ。現在の日本仏教には欠如したこの姿勢が、全世界でこれだけ多くの人たちの気持ちを引きつけているのだろうと、あらためて納得した次第だ。
セミナー出席の翌日この本を読んでみて、さらにダライ・ラマの気迫に圧倒されることとなった。つねに温顔を絶やさず、ジョークを連発するダライ・ラマとは違うダライ・ラマの姿をそこに見たからだ。
本書は、もともと『目覚めよ仏教!−ダライ・ラマとの対話−』というタイトルで2007年に出版されたものだ。文化人類学者で、「癒し」ブームをつくった張本人であり、近年は日本仏教を活性化するための実践的活動もしている上田紀行氏が、ダライ・ラマ亡命先の本拠地であるインドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマと直接英語で交わした、三日間にわたる、実に中身の濃い、激しくも熱い内容の対話を日本語化したものである。
日本語で再現された対話は、実に臨場感に充ち満ちたもので、対話のテーマは実に多岐に及んでいる。目次を紹介しておこう。
序章 ダラムサラへの道
第1章 仏教は役にたつのか
幕間−やさしきレフティスト
第2章 慈悲をもって怒れ
幕間−驚きと高揚のなかで
第3章 愛と執着
幕間−好奇心旺盛な観音菩薩
第4章 目覚めよ日本仏教!
対談を終えて
本書のなかでも、私がもっとも強い印象を受けたのは、ダライ・ラマが「不動明王の慈悲の怒り」に触れた第2章である。「二つの怒り−慈悲をもって怒れ」という小見出しがつけられた箇所で熱く語るダライ・ラマは、まさに不動明王になりかわって、慈悲の心にもとづいた怒りは必要なのだ、社会的な不正を座視していてはいかないのだと毅然と言い放っている。
現代に生きるわれわれの悩み、苦しみにダイレクトに向き合い、対機説法を行うダライ・ラマ。現在の日本仏教には欠如したこの姿勢が、全世界でこれだけ多くの人たちの気持ちを引きつけているのだろうと、あらためて納得した次第だ。
セミナー出席の翌日この本を読んでみて、さらにダライ・ラマの気迫に圧倒されることとなった。つねに温顔を絶やさず、ジョークを連発するダライ・ラマとは違うダライ・ラマの姿をそこに見たからだ。
本書は、もともと『目覚めよ仏教!−ダライ・ラマとの対話−』というタイトルで2007年に出版されたものだ。文化人類学者で、「癒し」ブームをつくった張本人であり、近年は日本仏教を活性化するための実践的活動もしている上田紀行氏が、ダライ・ラマ亡命先の本拠地であるインドのダラムサラにおいて、ダライ・ラマと直接英語で交わした、三日間にわたる、実に中身の濃い、激しくも熱い内容の対話を日本語化したものである。
日本語で再現された対話は、実に臨場感に充ち満ちたもので、対話のテーマは実に多岐に及んでいる。目次を紹介しておこう。
序章 ダラムサラへの道
第1章 仏教は役にたつのか
幕間−やさしきレフティスト
第2章 慈悲をもって怒れ
幕間−驚きと高揚のなかで
第3章 愛と執着
幕間−好奇心旺盛な観音菩薩
第4章 目覚めよ日本仏教!
対談を終えて
本書のなかでも、私がもっとも強い印象を受けたのは、ダライ・ラマが「不動明王の慈悲の怒り」に触れた第2章である。「二つの怒り−慈悲をもって怒れ」という小見出しがつけられた箇所で熱く語るダライ・ラマは、まさに不動明王になりかわって、慈悲の心にもとづいた怒りは必要なのだ、社会的な不正を座視していてはいかないのだと毅然と言い放っている。