負けない力 の感想

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参照データ

タイトル負けない力
発売日販売日未定
製作者橋本 治
販売元大和書房
JANコード9784479392798
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » は行の著者

購入者の感想

仕事の事前資料として購入し読みました、が
購入して良かったビジネス教本でもあり私的にも学びがあり、
ビジネスパーソンでなくても為になる、
人としての生き方の振り返りとできる良い本です。

名前は良くあるビジネス書に思えますが、中身が違います。
筆者は確かに国内外に精通した企業でビジネス経験を積み経営者まで経験され
成功路線を歩んだかのような方ですが、
まったくそれとは異なる生活をしている人にも読みやすく
公私ともにバイブルに出来る要素も含むような価値のある内容でした。

世の中の特にビジネス社会に存在しがちな、
漠然として“仕事で成功するためのイロハ”的な「論でなく」、

外を知るために己を知る、他者に対して人として当たり前の接し方をする、
大人として基本的に身につけているべき接遇視点を体得すること、
世界を目指すなら日本全体(生活、昔ながらの思想、国民性etc)を
知ることが大切であること、など、
日常的に当たり前とも言えることや、現在の生活の仕方を振り返らせ、
視点や視野を広げる思想を得られる、バランスが良く読みやすくて
且つ繰り返しても読みたくなる本です。
お薦めです1

最高に面白かったです。テーマは「知性」で、一貫して、自分の頭で考える事の大切さについて語っています。
『あなたの中に知性があるということは、問題は簡単に解決出来ないし、「負けた」と思うことは
いくらでもあるだろうけれど、でも「自分」が信じられるから負けないということです。
「自分を」を捨てたら知性はありません。』(P247)
『「答は自分の中にある」と思えるのが知性です。
「答は自分の中にあるんだから、自分で答を引き出さなければならない」と思うのが知性です。』(P41)
『「自分で考えてなんとかする。自分で考えて、他ならぬ自分を納得させる。」』(P131)

自分でテーマ(問い)を考えて、自分でどーにか考えてみる。
テーマが既にあって、既に考えられている。という事を恐れないこと。
つまり、「車輪の再発明」でもいい。
自分で、失敗して、考えながら、結果、ありふれた事しか考えられなかったとしても、決して無駄なことじゃない。
創造のためには、遠回りも必要で、答えを探すのと、作るのでは、経験値が違う。
だから、生産性と創造は相性が良くない。無駄も創造には必要になってくる。
そのための習慣として、知識を説明できるようにする事、自分にとってどういう意味があるのか考える事が
重要になってくる。また、固有名詞に頼った説明をしないようにすることが
中身のない権威主義に陥らないようにすることにつながってくる。
上記のように考えさせてくれました。

ふと以下の一説を思い出しました。
「読書とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失ってゆく。」「読書について」ショウペンハウエル

自信と謙虚さと知性。自信たっぷりの方が頭が良さそうに見えるが、そう簡単でもなさそう。
『謙遜というのは、…「相手のあり方」を想定した上で、自分を下げるのです。』(P214)

何を選ぶか、どう活用するか、似合うか似合わないかを判断する能力。

橋本さんが丁寧にまわりくどく論じていることを、ものすごく簡略化していうと、「知性がある」ということは「頭がよい」こととは違って、問題を発見して、その解決を考える、しかも自分の頭にだけ恃むのではなく、他人の知性にも頼ってネットワークで解決すればよいのだ、だから閉塞感をもつ必要もないし、他人と頭のよさ比べをする必要もない。みんなで幸せになればそれでいいじゃない、とそういうことだと思う。
私も、全く賛成。
往々にして、演算能力が高い=頭の回転が速いことが知性があることと思われがちだけど、そうじゃないということ。
この本の中で、さすが橋本さんは慧眼だなと思うのは、P.200からの「コンピュータの分からないこと」の節。
『「答」を見つけ出す能力の高いコンピュータは、「問題」を発見したりはしません。(略)どうしてコンピュータが自分から進んで「問題」を発見しないのかというと、それはコンピュータが生き物ではなくて、機械だからです。生き物が「問題」を発見したり気づいたりするのは、危機を察知する必要があるからで、つまりは、自己保存の本能があるためです。(略)人間が「自己保存の本能とはどんなものか」とそのシステムを解明してしまったら、コンピュータだって、自分で「問題」を発見するようになるかもしれませんが、そんなことをしない方がいいでしょう。コンピュータにとっての最大の危機は「壊れる」ではなくて「壊される」ですから、そういう「問題」があると気づいたコンピュータは、それを回避するために、「自分を壊そうとする者を倒す機能」の獲得を目指すでしょう。つまりは「武装」で、そうなると、暴走するコンピュータを止めようとする人間は、コンピュータによって殺されてしまいます。コンピュータに「自己保存本能」なんかを与えない方がいいのです。』
これはまさにターミネーターのスカイネットの世界。でも他人に勝つことが知性だと思っている愚かな人間はこういうことを考えないで、ただ他人よりも先に「自己保存の本能とはどんなものか」を知的好奇心、あるいは自分の頭の良さを証明するためだけに純粋に追及するだろう。そういうことがないように、と橋本さんがこの本を上梓したわけだが、この本に書いてあることを理解する知性のない人間がスカイネットを作りだすように私には思えて怖い。

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