ホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫) の感想

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タイトルホメロス オデュッセイア〈下〉 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者ホメロス
販売元岩波書店
JANコード9784003210253
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » ギリシャ・ラテン文学

購入者の感想

海難など当たり前の時代に20年もの長きにわたって出征した夫の留守を貞淑に守る妻。
理想の父の帰りをひたすら待ちわび、成長して自ら探しに出かける息子。
夫婦や父子との愛情や信頼関係が、時代は変わり地域が変わっても普遍のものであることを教えてくれる読み物。
遠い昔のギリシア、神と人間が同居していた時代の物語であるが内容は現代に通じるものがあり、基本的に人間の考え方、物の見方そのものは変わっていないんだなあという思いを抱かせる。
オデュッセウスとは「憎まれっ子」の意味だそうであるが、読後感としては「憎むもの」のほうが適当かとも思う。

 紀元前9世紀の古代ギリシアの詩人ホメロスの作になる叙事詩。
 紀元前1200年頃に10年間続いたトロイア戦争に出征したギリシアの英雄オデュッセウスの物語。原題は「オデュッセウスの詩」の意。トロイアでの長い戦争に勝利した英雄オデュッセイウスは、故郷イタケに向け出発するが、海神ポセイドンの怒りを買ったために帰国の途上数々の苦難に遭う。意図せぬ島に流されてキコン人と戦ったり、一つ目の巨人サイクロプスと戦う羽目になったり、魔女の虜となったりと結局10年の長きに渡って各地を漂流する。
 方や、故郷イタケでは愛姫ペネロペイアが夫の帰りを待ちわびている。息子テレマコスも立派な青年に成長したものの、我が家は、未亡人となった(と思われている)ペネロペイアに対して??婚する者達によって占拠された状態となっており、その飲食によって資産が放蕩されつつある。
 そこに苦難を乗り越え20年(戦争10年+流浪10年)の時を経て帰国した勇者オデュッセイウスは、息子のテレマコスと力を合わせ、この不届きな求婚者達を成敗するのだが・・・。
 叙事詩という性格上、話のあらすじを知っている者に対して繰り返し話して聞かせることを前提としており、妙な所が省略されていたり、変にくどかったりするが、想像していたより、ずっと面白かったと言うのが正直な感想。ギリシア語で語られた大昔の英雄伝説を、3000年の時を超えて日本語で手軽に読めるのは以外な気がする。しかもそれが面白い。肩肘張らずにファンタジーものとして素直に読んでも良いし、教養として暗記するまで反復して読むのも一興。是非ともお勧め。特に文庫版はお買い得。 

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