人生は愉快だ の感想

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参照データ

タイトル人生は愉快だ
発売日販売日未定
製作者池田 晶子
販売元毎日新聞社
JANコード9784620319155
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

購入者の感想

2007年に病死した池田晶子さんの文章を「死」と「生」という切り口からまとめた本。
第1章では30人の哲学者、宗教者の「死」に関する見解を紹介し、それに対する池田さんの考えを述べている。あくまで「死」という切り口なので、これら30人の偉人たちの思想すべてがわかるわけではないが、どういう思考様式をもった人たちだったのか、という池田さんなりの解釈がわかり、ときおり「そういうことだったのか」と新鮮な発見をするところもある。難解な哲学書などには歯が立たない私からすれば驚異の理解力の人である。あと、池田さんは、世間一般では誇大妄想と避けられがちなヘーゲルを(少なくともカントよりは)評価しているらしい、というのがちょっとした発見。
第2章は人生相談という形式になっており、個人的には少々退屈であった。なんというか、私とは笑いのセンスがちょっと違うのかもしれない。(というか、そもそも笑いが目的ではないのか?)
第3章はエッセイ。哲学を語ることについてのスランプ感であるとか、ガダマー氏との対談で(柄にも無く?)緊張した話など、池田さんの人間味のあるところが披露されていて親近感を感じさせるものとなっている。

そもそも、もはや語りえないことについてどう語るか、という状況において、
「1.語りえないことを考えることをやめて食っていくための生産活動に戻る」
「2.何かを信じないと落ち着かないので宗教に行ってしまう」
「3.そもそも哲学的なことは考えたことが無い」
「4.しつこく考え続ける」
の4パターンがさっと思いつくのだが、大半の人(科学者も含めて)は1を選んでいるのに対し、池田さんは最後の4を選んだ(選んでも生きていける)稀有な人なのだろうと思う。

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