イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密 コレクターズ・エディション（2枚組）[初回限定生産]アウタースリーブ付 [DVD] の感想

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　映画館で予備知識なしで見たけれど、これは秀作。感動しました。でも、字幕スーパーに訳しきれていないセリフがあったので、日本語吹替版とオーディオ・コメンタリーなどの特典の充実した映像ソフトの発売は大歓迎。

　第二次世界大戦でナチス・ドイツの暗号〈エニグマ〉を解読した異能の数学者にしてコンピュータの生みの親であるアラン・チューリングの伝記映画です。ノルウェー出身のモルテン・ティルドが監督した二時間弱のイギリスのインディペンデント作品。

　グレアム・ムーアの脚本が第87回アカデミー脚色賞に輝きました。主人公の少年時代の同性愛と戦時中の極秘任務と不遇な晩年の日々を往ったり来たりしながらストーリーを展開させる構成がサスペンスに富んでいる。
　大人向けの滋味深い内容で、落ち着いた色調の映像ですが、なんといっても主演のベネディクト・カンバーバッチの役づくりに説得力があり、目が離せません。子役も上手だった。

「誰も想像しないような人物が、誰にも想像できない偉業をなしとげる。あなたが普通じゃないから、世界はこんなにもすばらしい。」

　紅一点のキーラ・ナイトレイには存在感がある。脚色にはフィクションが混じっているはずだけど、心にしみる名ゼリフがあって儲け役ですね。彼女が自然体でスッピンの顔をさらしていることに好感を持ちました。

　見終わってから、戦争の本質、国家権力の非情、学校教育、性的マイナリティーへの差別など、さまざまな事柄について考えさせられる映画だと思います。