獣の奏者(7) (講談社青い鳥文庫) の感想

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タイトル獣の奏者(7) (講談社青い鳥文庫)
発売日販売日未定
製作者上橋 菜穂子
販売元講談社
JANコード9784062852234
カテゴリジャンル別 » 絵本・児童書 » 読み物 » SF・ファンタジー

購入者の感想

最後の最後で悲劇の核心・・・「新生闘蛇」?!

霧の民はエリンに核心部分を隠し、物事の因果を説明せず、ひたすら「あなたのやっていることは大罪だからやめるように」と言ってきました。エリンは母の死の意味も「大罪」の意味も理解できず、霧の民への不信感をつのらせるだけでした。
闘蛇衆に伝えられている闘蛇の飼育に関する規範も然り。
物語の結末を迎え全て明らかになると、隠さなければならなかった理由が、なんだかわからなくなってきます。

エリンは早い段階から、隠蔽こそ大罪で、知識の共有によって人は考え、問題を解決できるのだと気付いています。そして大いなる変革にはきっかけが必要で、過去の悲劇の再現がもっとも効果的な方法であることもわかっていました。
幸か不幸か悲劇の再現が現実のものとなり、結果、エリンは闘蛇と王獣を人間の手による「歪められた生」から開放することができました。そして望んでいた「知識の共有」も息子のジェシが成し遂げました。

しかし、これがエリンという優れた科学者が一生を捧げた研究の成果だとしたら、ものすごい成果だけど、なんだか虚しいです。
いったい、「操者ノ技」は大罪だったのでしょうか?

恐怖で支配するのではなく愛情を持って接すれば、王獣と心を通わせ、人間のパートナーとして一緒に暮らすことができるということを、エリンは見せてくれました。
この物語の中で、私は、エリンの「王獣と生きる歓び」をとてつもなく大きく感じました。王獣と一緒だからできたこともたくさんありました。

そういういろいろなことを、どう考えたらよいのか、、、釈然としないのです。
この感じを誰かと共有したくなる、何か落ち着かない読後感です。

8巻表紙のエリンだけ=金髪碧眼、が本来の姿です。
王獣編だったか、どこかで一回だけ「小麦色の髪」という記述があります。

<追記>
その後アニメ版だけ見た息子から「あの後どうなったの?」と聞かれ、ざっくり説明しようと思って読み返しました。
そうすると、結末が、かなり捻じ曲がっているのを冷静に感じました。

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