真珠郎 (角川文庫) の感想
参照データ
タイトル | 真珠郎 (角川文庫) |
発売日 | 2012-10-01 |
製作者 | 横溝 正史 |
販売元 | KADOKAWA / 角川書店 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
表題作「真珠郎」は、昭和11年に発表された作品であり、「蔵の中」「鬼火」に代表される耽美的、幻想的で異様ともいえる世界を描いた作品を発表していた頃と同時期に発表されたものである。「真珠郎」とは登場人物の名前だが、名前からして現実的ではない。しかし、非常に効果的な名前のつけ方だと思う。
この作品には、由利先生(金田一耕助以前の探偵役)が登場しているので、「鬼火」等に比べて謎解きの要素が濃いのだが、それが、現実にはありえないような幻想的な真珠郎の世界と合わさることによって、異様な迫力を持つ作品に仕上がっている。間違いなくこの時期の著者を代表する作品のひとつである。
横溝正史が昭和50年代ブームになったのは、角川文庫と犬神家の一族をはじめとする角川映画の功績である。そして、角川文庫で忘れてはいけないのは、ほぼ全作品の表紙絵を描いた杉本一文だろう。この「真珠郎」の表紙絵はその彼が描いた表紙の中でも傑作の一つだ。
そして、この表紙絵には謎解きの最大のヒントが隠されている。お気づきの方もいるとは思うが、そうでない方は是非見つけてください。
この作品には、由利先生(金田一耕助以前の探偵役)が登場しているので、「鬼火」等に比べて謎解きの要素が濃いのだが、それが、現実にはありえないような幻想的な真珠郎の世界と合わさることによって、異様な迫力を持つ作品に仕上がっている。間違いなくこの時期の著者を代表する作品のひとつである。
横溝正史が昭和50年代ブームになったのは、角川文庫と犬神家の一族をはじめとする角川映画の功績である。そして、角川文庫で忘れてはいけないのは、ほぼ全作品の表紙絵を描いた杉本一文だろう。この「真珠郎」の表紙絵はその彼が描いた表紙の中でも傑作の一つだ。
そして、この表紙絵には謎解きの最大のヒントが隠されている。お気づきの方もいるとは思うが、そうでない方は是非見つけてください。