カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 お屋敷のすべて篇 (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 お屋敷のすべて篇 (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 竹内 正浩 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121023469 |
カテゴリ | ジャンル別 » 歴史・地理 » 地理・地域研究 » 地理学・地誌学 |
購入者の感想
竹内正浩さんの『カラー版 地図と愉しむ 東京歴史散歩』シリーズも第4作の登場となりました。これまでの作品でも触れてこられたのですが、今回は「お屋敷のすべて篇」ということで、旧華族の邸宅を丹念に地図上で示して、その変遷を追い求めるという執筆姿勢でした。
明治20(1887)年の華族住所録と大正5(1916)年の華族住所録を巻末に資料として掲載してあります。物凄く詳細なもので、歴史資料的な価値は大だと思いました。また、それらの場所を巻頭の地図上で示してあり、それも膨大なもので筆者の努力には頭が下がります。
ただ、当方もそうなのですが、ほとんど門外漢の方が読者でしょうから、本文の記載と地図上の地名との照合が難しいのではないでしょうか。折角の労作なのですが、その書かれている意味合いがどこまで読者に届くのかということで少し配慮が必要だと思いました。
また、改行が少なく、多くの人名が地名と共に列挙してあるので、読みにくさは否めません。筆者の丁寧な執筆姿勢とは別の問題が生じていると感じました。
とは言え、中身は魅力的でした。最初は 1「華族住所録を読み解く―華族邸跡を歩く」として、「華族の変遷」、「華族邸を歩く」として、明治・大正の華族の邸宅を丹念に紹介しています。当時のモノクロ写真と現代のカラー写真掲載や、歴史地図で示してある邸宅もあり(例:岩倉邸 10p)、東京に土地勘のある方にはそのままガイドブックとして利用できるでしょう。ただ、そうでないと記述されている邸宅の位置関係が明確でないので、本文の記述のみ独り歩きしてしまう恐れがあります。
旧の麹町区の永田町・番町界隈については8ページ以降に詳述してありますが、錚々たる歴史上の人物の邸宅が並んでいたのが伝わります。この章が本書のメインに当たると思われます。
2「川の手別邸物語」では、「遊園」、「別邸」と分けられ、東京に点在する名園の成り立ちをつぶさに写真入りで紹介してありました。
3「明治~平成、歴代総理のお屋敷事情」、4「新興のお屋敷町を歩く」の「実業家の館」、「ブランドを売る」、「大衆の時代到来」という項目が続きます。
明治20(1887)年の華族住所録と大正5(1916)年の華族住所録を巻末に資料として掲載してあります。物凄く詳細なもので、歴史資料的な価値は大だと思いました。また、それらの場所を巻頭の地図上で示してあり、それも膨大なもので筆者の努力には頭が下がります。
ただ、当方もそうなのですが、ほとんど門外漢の方が読者でしょうから、本文の記載と地図上の地名との照合が難しいのではないでしょうか。折角の労作なのですが、その書かれている意味合いがどこまで読者に届くのかということで少し配慮が必要だと思いました。
また、改行が少なく、多くの人名が地名と共に列挙してあるので、読みにくさは否めません。筆者の丁寧な執筆姿勢とは別の問題が生じていると感じました。
とは言え、中身は魅力的でした。最初は 1「華族住所録を読み解く―華族邸跡を歩く」として、「華族の変遷」、「華族邸を歩く」として、明治・大正の華族の邸宅を丹念に紹介しています。当時のモノクロ写真と現代のカラー写真掲載や、歴史地図で示してある邸宅もあり(例:岩倉邸 10p)、東京に土地勘のある方にはそのままガイドブックとして利用できるでしょう。ただ、そうでないと記述されている邸宅の位置関係が明確でないので、本文の記述のみ独り歩きしてしまう恐れがあります。
旧の麹町区の永田町・番町界隈については8ページ以降に詳述してありますが、錚々たる歴史上の人物の邸宅が並んでいたのが伝わります。この章が本書のメインに当たると思われます。
2「川の手別邸物語」では、「遊園」、「別邸」と分けられ、東京に点在する名園の成り立ちをつぶさに写真入りで紹介してありました。
3「明治~平成、歴代総理のお屋敷事情」、4「新興のお屋敷町を歩く」の「実業家の館」、「ブランドを売る」、「大衆の時代到来」という項目が続きます。