キャパの十字架 の感想

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参照データ

タイトルキャパの十字架
発売日販売日未定
製作者沢木 耕太郎
販売元文藝春秋
JANコード9784163760704
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » ジャーナリズム

購入者の感想

 深夜特急でお馴染みの著者は、実はキャパを追いかけるジャーナリストとしても
有名で、訳本も出されており当初から“崩れ落ちる兵士”に疑問を持っていました。
フォトグラフス―ロバート・キャパ写真集

これは、言ってみれば写真界のタブーに真っ向から挑んだ、
しかもその切り口は非常に鋭く、読むものを興味のあるなしに関係なく
ぐいぐい引きこむ魅力にあふれた氏の渾身の一作と呼べるでしょう。

結果は、先のNHKスペシャルでも取り上げられたとおりの内容なのですが、
その答えを導き出すプロセスが当時を知る人のあやふやな記憶に頼るのでなく、
最新の科学、専門家による分析、当時の公文書、そして著者の鋭い着眼によって
どこを切ってもこれ以上の答えは出てこないだろう
ただ、まったく疑問が解消されたわけではなく
これが旅の始まり的な考察に、ジャーナリストとはこういうことなんだと
納得しました。

あの写真だけでは答えが出て来なかったところに、現れた複数の同じ日に撮られた写真。

そしてゲルダ・タローの存在、そしてその死。。。。

さらにLIFEに掲載されたタイミング。。。。
(LIFE MAGAZINE-12-JULY 1937)

後戻りできなくなったキャパは、一体何を考えて戦場でカメラを武器に
己自身と戦っていたのか。。。

ここを考えさせられます。

カメラのアングル(LeicaとRolleiflex)の違いや、移動距離にかかる時間、
そして画角からフォーマットを割り出す手法は見事です。

今年はロバート・キャパ生誕100周年という記念年です。

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