困ってるひと (ポプラ文庫) の感想

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参照データ

タイトル困ってるひと (ポプラ文庫)
発売日販売日未定
製作者大野更紗
販売元ポプラ社
JANコード9784591130216
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » あ行の著者

購入者の感想

前から気になっていた本だったので、文庫になったのをきっかけに購入しました。

軽妙な文体で書かれていますが、内容はびっくりするほど深刻です。
これほどの苦痛を伴う病気と一生つきあっていかなけばならない。
昨日まで健康だった若い女性が、突然自由を奪われ、それと向き合わなければならない。

彼女に批判的なレビューもありますが、彼女はまだ若いのです。
ちょっと頭でっかちな田舎の優等生で、ハーバード、なんて響きにも弱い。
でも、本質はそこではないと思います。

主治医とのくだりも、正直だな、と。
どんなにいい先生でも、難病患者との接し方でデリカシーに欠けることもあるでしょうし、
病院にいるときはともかく、日常の生活での想像力はふつうのおじさんなみ。
そんなものなんだと思います。
すべて医者が正しいかといえばそうではない。
医者や病院が食べさせてくれるわけじゃない。
当たり前のことだけど、自分の突然の変化に驚き、苦痛に耐えるだけの日々の中、
依存していた自分に気づき、自立をすることを決意します。

色んな壁があるけれど。それをしようとする彼女には頭が下がります。

 

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