E.T. [Blu-ray] の感想

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このE.Tを観ていると、80年代はSFX(要するに特撮)がもてはやされたけど、
技術的には万能には程遠くて、E.Tの全身を映して派手にアクションさせるなんて不可能であり、
せいぜいゆっくり歩かせるのが限界。
テーブルやカーテン、シーツで下半身を隠したり、逆光でディテールを隠したりと
それこそあの手この手で不可能な事の穴埋めをしていたことを思い出します。
あの有名な自転車のカゴにE.Tが乗るシーンも、
そもそもE.Tを動かせないという事情があったのは素人の私でも察しがつく。

一方でE.Tが比較的派手なアクションをするシーンや、表情を豊かにする処理をCGで加えた
“特別編”がありますが、作品としての質が上がったようには思えなかったです。
何より、これはアメリカ映画のダメなところですが、彼等がCGで手を加えたE.Tの表情は
ディズニー的なアニメチックなテイストになってしまい、
不思議なことにこの作品のリアリティーを大きく損なわせています。
特別編で復活した入浴シーンのE.Tの豊かでアニメチックな表情は本当に苦手です。
「お前だれやねん。」です。
E.Tのファンは誰もオリジナルのE.Tの表情が乏しいなんて思っていません。

なので、このパッケージに特別編は未収録ですが何の問題もありません。
E.Tはこれが完成形です。