地方からの産業革命 -日本における企業勃興の原動力- の感想
参照データ
タイトル | 地方からの産業革命 -日本における企業勃興の原動力- |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 中村 尚史 |
販売元 | 名古屋大学出版会 |
JANコード | 9784815806453 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 産業史 |
購入者の感想
経営史の本道をいく力作である。面白い。一気に読めた。この国で、あの19世紀末に、しかもなぜ「ほうはい」として産業革命が起きたのか。その「澎湃」の実相がようやくつかめた(ような気がする)。 著者の主張は明快だ。「地方からの産業革命」は突き詰めれば三つの要素、すなわち、核となる経営主体、地域内外の人的ネットワーク、地方工業化イデオロギーの共有、によって引き起こされたという。とすれば、それはそのまま今を生きる私たち(企業人)にもあてはまる。私たち一人ひとりが「経営主体」となり、「人的ネットワーク」を築き、思い(イデオロギー)を一つにすれば、この国はまだまだ捨てたものではない。著者の真の願いもその辺にあるように思われる(あとがき)。リアルな筆致に貫かれた力作である。しかも「希望」のぬくもりを持っている。