Takarazuka: Sexual Politics and Popular Culture in Modern Japan の感想

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この本にまだレビューがないことにびっくり。私は英語で読んだのですが、素晴らしい本です。宝塚についての本のほとんどはまるで阪急が出した広報のような、「公式の宝塚物語」に沿ったものばかりで、つまらないと思います。１００年ほどの歴史のある団体ですから、全てがきれいなものであるはずがありません。ロバートソンはものすごくよく調べて、客観的に書いているので、宝塚歌劇団があまり知られたくない歴史（昭和初期の同性愛スキャンダルや戦時中の軍国主義的な内容など）をセンセーショナリズム無しでしっかり裏付けを提供しながら語っています。真面目な学術書ですから中に小難しいセオリーも出て来ますが、そういうところを適当に飛ばしながら読むと非常に面白いと思います。著者自身はレズビアンですが、調査をしている間に劇団から受けた非協力的な対応の話なども面白いです。本当の宝塚ファンなら、公式のストーリーから消されている部分をも受け入れて、より深く宝塚を知り、より深く愛することができるはずだと思います。