日本人の知らないユダヤ人 の感想

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参照データ

タイトル日本人の知らないユダヤ人
発売日販売日未定
製作者石角 完爾
販売元小学館
JANコード9784093798068
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » ユダヤ教

購入者の感想

かつてイザヤ・ベンダサンなるベストセラーがあったお陰でユダヤものと聞くとどうもウサン臭いものを感じてしまいがちですが、本書はたいへん真面目かつ近年これほど知的興味をそそられる本はないと言える内容です。そのためには経済関係雑誌を普段あまり読まれていない方に馴染みの薄い著者を紹介する必要があります。本著でもその事件の内容に触れられているものの社名が伏せられているので詳細がわからない書き方になっていますが、この件は日本企業への初の国際的買収劇としてメディアを騒がせたブーン・ピケンズ氏による小糸製作所の買収劇のことで、著者はそのピケンズ側の弁護人に付いた人です。裕福な家庭で育ち、東大(失礼しました京大です)から上級官僚へとエリートコースをまっしぐらに進みながら、米国のハーバード・ビジネススクールに留学、そこでの人脈が著者の人生を大きく動かします。“小糸事件”以後、日本にもコーポレート・ガバナンスの重要性が認識され、著者はその後、日本でもガバナンスにおいて先取的な複数の上場企業の監査役を務めたことも周知の事実です。そうした著者が、実は本当に、ユダヤ教に改宗していた、という驚きの告白をしているのが本書です。いわば、この著の面白さの真骨頂は(そこが編者が狙ったものでしょうが)、知る人ぞ知るかつての「あの人」の告白本的なところにあります。しかし著者はどちらかというと、当然のことながらユダヤ教がどんなものかを正しく伝えることに力点を置きます。著者は忙しい方だから、本書は恐らく編者による聞き取り起こしで著述されたのでしょう。著者と編者のこの力点の置き方の微妙なズレは、行間からもある種の緊張感となって伝わります。いずれにしても、日本がなぜ現在、株価が低迷し、経済のお先が真っ暗なのか、その答えを見つけることもできる含蓄のある書です。

 コメントご指摘ありがとうございますが、小子は個人的に10年以上前、筆者とは一月に2回は取材でお会いしていたので、よく存知あげているというお義理でこのレビュー書いただけなので、あしからずです。別に彼の生き方そのものなんかには特に共感なんてしてませんがね。

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