グレン・グールド 完全ディスク・ガイド の感想

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参照データ

タイトルグレン・グールド 完全ディスク・ガイド
発売日販売日未定
販売元河出書房新社
JANコード9784309273341
カテゴリエンターテイメント » 音楽 » クラシック » 演奏家・指揮者・楽器

購入者の感想

グールドは50歳でなくなったが、レコード・デビューは早かった。そのデビュー・アルバム「ゴルトベルク」は
内容的にもセールス的にも大成功を収めた。重要なのはセールス面で、破格のリリース枚数を記録し続けた。
この営業的側面を背景に、彼は録音曲目の選定などに自分の意見を十分に活かすことができた。
実質的なプロデューサー兼ディレクターとしての役目も果たしつつ、25年間もスタジオに篭もるようにして、
レコーディング・アーチスト活動に専念し、多くのアルバムを制作した。

彼が生前制作したアルバムには、単なる演奏家という以上に、彼の意図が色濃く反映されている。
演奏だけでなく、収録曲目、曲順、マイク・セッティングまで含めて、彼の「表現」になっている。
取り組んだジャンルも、バッハ以前から現代音楽まで幅広く、CDを聴き込んでいくと、
それほど有名ではないアルバムが、自分にとって名演だったりする。

彼の没後、グールド音楽の独自性と輝きは増し、レコード会社から独自編集CD発売が相次いだ。
中には同一ジャケットで内容違いとか、オリジナルの内容に無表記でボーナス・トラックが追加されているものなど、
ごちゃ混ぜ状態になっている。うかつに「収録曲数が多いから、こっちにしておこう」と
グールドの意図を忠実に反映していないものを選択したりすると、結局買い直すことになる。
グールドの美学(ピアニズム)は、徹底されているので、細かな破綻でも大問題化する。

「グールドの森」に分け入っていくと、こうした収拾が付かない状態に否応なく巻きこまれてしまう。
だからそこを整理した、ディスコグラフィ本が出ないものかと思っていた。

グールドというと、現代思想かぶれの力が入りすぎた観念的な文章がよく出てくるが、
この本のCDレビューは、そういうところがなく好感が持てるし、気持ちよく読める。

前半のグールドのアルバム解説部分は、現在流通しているCDのすべてについてレビューが書かれているわけではない。

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河出書房新社から発売されたグレン・グールド 完全ディスク・ガイド(JAN:9784309273341)の感想と評価
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