[新装版]司馬法・尉繚子・李衛公問対 (全訳「武経七書」) の感想

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参照データ

タイトル[新装版]司馬法・尉繚子・李衛公問対 (全訳「武経七書」)
発売日販売日未定
製作者守屋 洋
販売元プレジデント社
JANコード9784833420976
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 東洋思想 » 東洋哲学入門

購入者の感想

昨今、日本で「兵法書」というと、皆「孫子」と言う
少し詳しい方なら「呉子」も挙がるかもしれないし、或いは「五輪書」も挙がるかもしれないが
それでも、やはり最初に頭に浮かぶのは「孫子」である
しかし、兵法書は孫子だけではない。かつて、中国にはまさに星の数ほどの兵法書があった。
そして、その中でも特に優れているとされた物が所謂「武経七書」である。
即ち「孫子・呉子・六韜・三略・司馬法・尉繚子・李衛公問対」の七書である。
この本は、その内司馬法・尉繚子・李衛公問対を取り上げた物だ。

この三書は、はっきり言って地味である。孫子の解説本がそれこそ山の様に出ているのに比べ、この三冊に関する書籍は本当に少ない。李衛公問対に至っては、ピンの訳書、解説書は見た事が無い。大体、司馬法あたりとくっついている。
まあ、これは仕方の無い事ではある。後世の影響力の大きさ、そしてその内容のすばらしさに関しては、やはり孫子は頭一つ抜けているからだ
しかし、では司馬法・尉繚子・李衛公問対は最早取るに足らぬ黴の生えた書物か。
否。断じて否である。

この本の素晴らしい所は、この三書にまつわる人物、司馬穰苴や尉繚、李靖、李世民らの解説もしッ狩りと行い、またこの書がいかなる書か、その概要を実に分かりやすく記している点。
そして何より、本文が現代訳・解説・書き下し・漢文と非常に一つ一つの区切りを大切にしている点である。
訳は分かりやすく、解説も実に面白い。

そもそも、司馬法・尉繚子・李衛公問対の三書の解説本自体がごくごく少数である事を考えれば、それだけでもこの書には価値がある。
司馬法はそのほとんどが散逸したが、それでも重要なメッセージを保持している。
尉繚子は「戦いに呪いを持ち込むのは以てのほか」という、当時としては非常に先進的な指摘を残している。
そして李衛公問対は、楽毅や曹操、諸葛亮といった古の英雄・名将らを評価し、また実際に李世民らが戦った戦についても語られるなど、読み物としても実に面白い。
兵法に興味のある方ならば、ぜひとも一読して頂きたい良著である。

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