日本のものづくりはMRJでよみがえる! ロマンに終わらない、世界に飛躍する日本の技術 (SB新書) の感想

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参照データ

タイトル日本のものづくりはMRJでよみがえる! ロマンに終わらない、世界に飛躍する日本の技術 (SB新書)
発売日販売日未定
製作者杉山 勝彦
販売元SBクリエイティブ
JANコード9784797382662
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » 交通 » 空運

購入者の感想

 本書は、リージョナルジェットMRJの航空工学論ではなく、MRJ関連の産業論である。
著者のキャリア(企業信用調査、証券アナリスト、製造業全般のハイテクアナリスト)の経験、すなわち、
豊富な現場情報、技術評価のバックグラウンドを活かした産業論になっている。
 「MRJは成功するの?」「それで、日本の産業はどうなるの?」という疑問に対して、
具体例に立脚する基礎情報を提供してくれる。全体に、専門用語・概念を噛み砕いて勘所を説明するスタイル
で記述されているので大変分かりやすい。読後の満足度は大変高い。

 ホンダジェットが「画期的な2つのブレークスルー」に基づく新鋭機であり、MRJは「既存の技術」に
基づく新鋭機である。MRJが従来機よりも燃費が20%良い理由は、米国P&W社の新エンジンGTF(本書
で丁寧な説明あり)が燃費を15%向上させ、MRJの機体設計で5%向上させたことによる。なので競合他社
もGTFを搭載した新鋭機をMRJより先に完成させ、デリバリーを始めたら優位性を失い苦しくなる。楽観は
できない。MRJが先行することを望みたい。

 著者は、日本の強みは、素材と職人気質であり、日本人は「製造技術=単品」が強みだが、「製品技術=構想、
大規模なインテグレーション」は弱いと述べる。しかしホンダジェットの成功が示唆するように画期的な新製品
を生み出せる人材はいるが、多くの組織(不適格なトップ層)が彼らを支援せず邪魔をしているという実態に着目
する必要がある。

 著者は、熟練工を育成するには10年以上かかるから、その技術をデジタル化してソフトウェアで簡単に参照
できるようにすべきと述べる。しかし、製鉄技術や液晶製造技術でそうやって練り上げたソフトウェアも韓国、
台湾などの新興国へ安易に流出させた経営管理者層がいたため優位性を失ったことを考えると、国益をも考えた
国家戦略を練る必要がある。

 著者は、高等専門学校卒業生が日本の産業の中核を担うことを期待している。卓見だと思う。大学工学部学生は、

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