表参道のヤッコさん (河出文庫) の感想

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参照データ

タイトル表参道のヤッコさん (河出文庫)
発売日販売日未定
製作者高橋 靖子
販売元河出書房新社
JANコード9784309411408
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » た行の著者

購入者の感想

本書は、スタイリスト歴40年の著者が描く、70年代の原宿・表参道の青春群像ということですが、単なる“回想録”ではありません。

著者がまえがきで「未来のために、もう一度20代を生きる」と書いているように、あくまで現在、未来を前向きに生きるためにあえて日本の青春時代(60〜70年代)を振り返ろうという、ポジティブな意志に貫かれた本です。

本書に描かれる、著者の青春時代(田舎から出てきた女の子が東京のど真ん中でフリーのスタイリストとして成功するまでの冒険物語)は、いまの時代にも十分通用する感動的な青春ストーリーです。都会の真ん中で、けなげに奮闘し、そして何かをつかんでいく姿に、思わず泣けてしまいました。

私自身は、70年代前半に生まれましたが、著者の「映像的な」文章を読んで、なつかしさを感じるとともに、これは「いつの時代にもある、普遍的な青春物語」なんだということに気づきました。

また、本書は、写真も豊富で、デヴィッド・ボウイやT・レックスといったスターの貴重な写真もありますが、著者本人と友人の若いクリエイターたちの写真がなんとも言えない、いい雰囲気をかもし出しています。どれも、時になつかしく、時にもの悲しく、そして、時にファッショナブルです。特に、著者本人のヒッピーファッション、そして著者の友人であるデザイナーの鳥居ユキさんの60年代の写真は、単なるファッション史というだけでなく、時を超えた「新しさ」があります。

たとえば、本書後半に、田口ランディ氏との対談が収録されているのですが、田口氏の「なつかしい未来、70年代」「アヴァンギャルドだけど、なつかしい」という発言は、本書の特色を端的にあらわしたものと言えるでしょう。

当時のことを知っている人も、そうでない若い世代でも、楽しめて、ちょっと泣ける、感動的な本なのではないでしょうか。

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河出書房新社から発売された高橋 靖子の表参道のヤッコさん (河出文庫)(JAN:9784309411408)の感想と評価
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